Re:シルの日々の戯言。

散財が生き甲斐になりかけている、デジタルガジェット大好き自称黄色いネズミの戯言。

Synology DS218Play導入して1ヵ月くらいが経った

6月頭くらいに手持ちNASのASUSTOR AS-302TがNAS用OSのADM最新版(ADM 4.0)に対応しないことが判明したため、半ば衝動買いでSynology DS218Playを購入しました。
sylve.hatenablog.jp

(型番に18が含まれ、20「18」年式の旧型に見えますが)現行最新のNASで、DS218Playに合わせて調達したNAS向けHDDも驚くほどシーク音(カリカリとかガリガリとか言う音)が静かで、AS-302Tを調達した時のHDDとの違いに驚くばかりです。*1

前回衝動買い記録として書いたタイミングではデータ移行中だったので、データ移行も終わりある程度使い始めたタイミングの現時点で適当になにか記録を残しておくこととします。

デフォルト設定だとパスワードルールがキツい

近年利用するサービスでは、パスワードは一定以上の複雑性を要求されることが多々あります。例えば、英字大文字小文字・数字は最低限必須、推奨は記号も含めて10桁以上を求められる場合もあります。
しかし、Windowsのクライアント系OS(Windows10など)は標準だと英字小文字+数字の少々脆弱なパスワードでも設定が可能となっています。*2

今回導入したDS218Play(で動くNAS用OSのDSM 6.2)は、近年のパスワード事情に合わせて英字大文字小文字・数字を含んだパスワードが必要最低要件とされています。しかし、私の自宅内環境では(一応IT技術者を生業としている身にしては意識が大変に低くて愚かな)英字小文字+数字の組み合わせのパスワードを設定しています。

そのためNASに合わせてパスワードの見直しを行うか、現在利用している機器に合わせてNASのパスワード規則を脆弱にするか(英字小文字+数字の組み合わせでOKとするか)のいずれかを選ぶ必要が出てきました。
本来ならば時代に合わせて全PCのパスワードを強化する方向があるべき姿ではありますが、一人で何台パソコン使ってんだ!?状態*3なので、全PCのパスワードを変更するのは骨が折れるので今回はパスワード規則を脆弱にする愚かな選択としました・・・。

設定方法はDSMにログインして、コントロールパネル->ユーザー->詳細タブから「大文字と小文字の混合を含む」のチェックを外せば軟弱なパスワードの設定が可能になります。
・・・が、現在の状況を加味するとチェックは付けたまま、むしろ「特殊文字(記号)を含む」のチェックを付け、最小パスワード長もデフォルトの8桁から増やし、パスワードの使い回し防止のために、「パスワード履歴(回数)」で一定数設定するべきなのかも知れません。

ただ、そこまで厳密な設定を入れ込んでしまうと自宅環境で使うには利便性が落ちるので、多少の妥協は必要なのかも知れません。
それを考えると、とりあえずデフォルト設定である英字大文字小文字・数字の組み合わせでパスワードを考えて、手持ちパソコン側もそれに合わせるくらいの方が良いのかも知れません。

ストレージアナライザーが意外と便利

SynologyのNAS用OSであるDSMは、基本的には必要最低限の管理しか行えずチョット凝ったことをやりたい場合はパッケージセンター(スマホなどのApp Store相当)から機能を追加していく必要があります。

例えばディスク容量の使用状況をチェックしたい場合、DSMでは「ストレージマネージャ」を利用することになりますが、ストレージマネージャではディスク全体の何割使用中の情報はチェック出来ますが、どの共有フォルダがどのくらいの容量を消費しているかは確認出来ません。
AS-302Tで利用していたADMでは、(似たような機能が分散して実装されてて探しにくい部分はありましたが)共有フォルダ毎の容量を確認出来ていたのでこのままではチョット不便なので何か無いかと探したところ、「ストレージアナライザー」と呼ばれるツールがありました。
www.synology.com

ストレージの使用状況を分析するツールですが、スケジュール登録の上で集計するので使い勝手が良いとは言い切れない(=リアルタイムで情報を見れない)*4のですが、共有フォルダ毎の使用状況意外にユーザ毎・ファイルタイプ別の使用状況が確認できる上、「アナライザー」と言うだけあり、重複ファイルの確認も行えます。
この重複ファイル確認が思ったよりも有能で、長年蓄積してある程度は手動で整理したデータ群から重複しているファイルを探し出して「これ重複してるよ!」とリスト化してくれます。・・・整理の過程でバックアップとして残し記憶から消えていた不要なファイルや、判断不能扱いにしたファイルが実は別のフォルダに格納されてて「おるで!」と教えてくれるので、不要なファイルをドンドン見つけ出してくれます。

私の場合はカメラ趣味のフォルダで効果を発揮していまして、基本的に撮影・Photoshop Lightroomに取り込んだデータは、別途SDカードからNAS上のRAWデータ置き場に日付フォルダに保存してSDカードをフォーマットしています。・・・が、たまにSDカードの中身をNAS上にコピーしてフォーマットせずにそのまま次の撮影をしてしまうことがあり、結果的に既に退避済みのデータがNAS上に複数存在してしまうことが稀によくあります。
Synologyのストレージアナライザーでは、そのようなデータもちゃんと分析して「既にあるぞ?」と教えてくれるので、意味のない重複データを避けることができます・・・と言うか、ストレージアナライザーでモリモリとデータ重複が検出されたので、結構エライことになってました(白目)*5

ちなみに、このストレージアナライザーのレポート作成処理はそこまでゴリゴリと処理を喰うわけでもなく、1.3TBくらいのデータを5分も掛からずサクッと処理してくれるので、Synology製のNASを導入しているのならば思考停止状態で導入することをおすすめできるツールです。

ウィルススキャンはイマイチ

AS-302Tではウイルス対策製品としてApp Storeに公開されていたClamAVを利用していました。
そのため、DS218Playでも何らかのウイルス対策製品を利用したいと思っていましたが、パッケージセンターで都合よくAntivirus Essentialと言うそのままの名称のウイルス対策製品があったので導入しました。
www.synology.com

調べると一応こちらもClamAVエンジンらしいのですが、DS218Playがローエンドモデルだからなのかレスポンスが非常に悪くて微妙の一言です。*6
具体的には、ウイルス定義ファイルの更新に20分近く時間を要します。AS-302Tではバックグラウンドで動かすことが多いので具体的な時間は把握していませんが、20分なんて時間は掛かっていなかったと思います。またPCで利用しているSophos Homeもそんな20分もゆっくりと時間を掛けて更新するなんてことは無いかと思います。

また、Antivirus Essentialではデフォルトは差分スキャン方式(設定項目としては「スマートスキャン」)なので、データ移行後の初回スキャンは尋常ではないくらいに時間を要します。
具体的には1.3TBのデータ(デジカメ撮影後のデータがあるので細かいファイルが大量にある条件下)では1日以上スキャンに時間を要します。
AS-302Tではフルスキャンを行ったとしても丸1日スキャンに時間を要することは無かったので、スキャンに時間かかり過ぎと言う感が拭えません。*7

さらに、デフォルト設定が差分スキャン(スマートスキャン)なので一度チェックしたファイルは更新されない限りチェックしないので、定義ファイル更新で新たなウイルスが検知可能になったとしても既存ファイルは放置されてしまうのも気になる部分です。
個人的には週1回くらいは全ファイルチェックしたいところですが、スキャンに丸1日以上時間を要するとなると差分スキャン方式を選ばざるを得ないので、最終的にはPC側に搭載しているウイルス対策製品で保護されるとは思いますが、出来るならNAS上でどうにかしたいところです・・・。

利用する上ではパフォーマンスに問題は無い

私はNASはあくまでNASとしてしか利用していませんが、普通にNASとして使う分には何も問題ありません。
特にパフォーマンスが悪いとか、macOSから繋がらないとかネガティブな要素はなく、普通に使えています。

正しくは状況が状況で写真撮影に行けてないのでNASにSDカードの写真を入れるなど実際の使用感を綴れるような用途での状況は把握出来ていないのですが、AS-302Tを利用している時と変わらず利用することが出来ています。・・・むしろ内蔵ディスクが新しい世代のHDDになったおかげで「カリカリ・・・」のシーク音もほぼ聞こえず「動いてる・・・のか?」と思うくらいです。

本来なら写真の整理だったり、iTunesサーバとして使えたり、専用アプリでスマホ連携が凄かったり(小並感)いろいろと活用可能なんでしょうが、NASとしてやるべきことが出来るのならば個人的な不満はありません。

DS218Playを調達した時点では「妥協に妥協を重ねたとは言え、RAM 1GBはケチりすぎたか・・・(DS218の2GBくらいはあったほうが・・・)」と不安に思ったのも事実ですが、個人で使う程度ならばRAM 1GBでも必要十分です。
ただし、Antivirus Essentialを利用しているときは一時的と言えど使用率8割オーバー*8になってたので、様々な機能を活用したいと考えるのならばRAM 1GBでは容量が足りなくなるかも知れません。

ちなみにデータの移行は約8時間でした

前回の戯言日記を書いたタイミングではまだデータの移行が終わっていませんでした。
あのあとチェックを続けていましたが、最終的に約8時間ほど時間を要しました。

約1.3TBを1GbEで転送させていたので時間がかかるのは当然と言えば当然ですし、8時間で済むのなら次回データ移行時は夜間に行えば良いだけの話なので危惧することは何もない・・・のですが、8時間か・・・。

時代は既に10GbE、お金が無ければ2.5GbE/5GbEと言う状況になりつつありますので、そろそろ利用しているPC周りも1GbEから変更して行かなければ・・・と思いつつ、まだまだ良いお値段なのでいつになったら私のような末端ユーザーでも気軽に10GbE環境に移行出来るのやら・・・。

とりあえず次回NASの買い替えを行う場合は余裕を持って、しっかりと予算を組んで10GbE対応のモデルを購入できるよう心掛けていきたいところです・・・。

*1:AS-302Tで利用していたHDDは2014年発売のTOSHIBA MC04ACA300E、DS218Playでは2017年後半〜2018年前半くらい発売のIronWolf ST4000VN008です・・・が、アレ?今回調達したHDDって意外と古い年式・・・。

*2:Windows Server系やAD連携してグループポリシーで要件が定められている場合はパスワード要件が強化されている場合があります。

*3:面白おかしく書いてますが、実態として常用しているPCは数えるほどしか無いですよ?

*4:事前にレポートプロファイルと言うタスク登録を行う必要もあるので、初回だけチョット手間ですがレポート生成を手動で実行することも可能なので今まさに状況を見たい!・・・と言う場合は手動で動かせばいいだけの話になります。

*5:RAWデータってものによっては1つで数十MBあるのですが、それがゴロゴロ出てきまして・・・=結果的に数百MBも無駄にディスクを食ってた訳でして・・・。

*6:そもそもAntivirus EssentialはDS218Playより更に下位のグレードであるようなメモリ512MBモデルでは性能劣化の危険性があるとわざわざ警告が書かれているので、

*7:DS218Playのメモリが少ないことが原因なのか、ARMアーキテクチャが原因なのか・・・。

*8:手動スキャンしてた時、メモリ使用率が8割オーバーだったので「こりゃRAM 512MB機種じゃ駄目だって警告出すわけだ・・・」と思った次第です。