[2016.05.30 21:10 update]日本語的に変な部分を修正すると共に加筆しました。
私が夜景写真に目覚めたキッカケであり、より写真に興味を持つ原因となったデイリーポータルZの新宿展望台紹介記事が公開されてから10年以上が経過しました。
@nifty:デイリーポータルZ:新宿新都心、無料展望台たちのやる気
なにかと「この記事で興味を持って・・・」と紹介させて頂いている記事ですが、気付けばもう10年以上前の記事となる為、情報が陳腐化してしまい2016年5月末現在の状況と乖離する部分がいくつか見受けられます。時の流れとは厳しい現実を突き付けるものですorz*1
ここは一つ、私が「あれから10年*2、あの場所の今は!」的なリスペクト的な記事を綴ってみようと思い、低予算で紹介された展望フロアの現状を調査をしてきました。*3
なお、元の記事では「展望台」と称していますが、私の記事では「展望フロア」と称して記載します。*4
調査対象の新宿高層ビルの無料展望
先ほども記載した通りデイリーポータルZの記事に従い、以下の高層ビル5ヶ所の(展望フロアの)現状について調べてきました。
なお、一部の高層ビルは個人的にそれなりの頻度で訪問している為、ある程度(現在どうなっているのか)知っている場所もありますが、今回記事を記述するために足を運んで確認・写真を撮ってきました。
なお、デイリーポータルZの記事では「夜景を楽しむ」と言う趣旨で書かれていますが、今回は「展望フロアの存亡」を中心として確認しているので、全て日中帯に訪問・撮影しています。
上記5つの中で、展望フロアが閉鎖・閉店したと言う情報を耳にしているのは「新宿センタービル」及び「新宿NSビル」の2ヶ所です。
トピックス | 新宿センタービル Shops & Restautants*6
フロアガイド|新宿NSビル|SHINJUKU NS Building*7
新宿野村ビル
比較的新宿駅の近くにある高層ビルの新宿野村ビルです。
今回訪問する高層ビルの中では比較的JR新宿駅に近い場所にありますが、地下通路からのアクセスが悪いので*8足を運んだ記憶がありません。
展望フロア自体は現在も残されています。展望フロアはレストラン街の待合スペースと兼用されているようで、ベンチがいくつか設置されています。
なお、写真撮影については手すりが窓からかなり遠い場所に設置されているので不向きです。風景を楽しむ程度に抑えることをお勧めします。
窓から離れていると言う事は、ラバーレンズフードなどでガラスとレンズの先を密着させることが不可能、そのため映り込みが発生しやすいので、風景写真を撮影するには厳しい環境です。日中帯の場合はレンズフィルターなどである程度の対処は可能とは思いますが、夜景撮影はほぼ無理です。*9
新宿センタービル
JR新宿駅(西口)から一番近い場所にある展望フロア併設の高層ビルだった新宿センタービルです。
レストラン街閉店の情報を耳にしていますが、展望フロアの扱いはどうなったのか、いつ再び入れるようになるのか。
レストラン街閉店の告知文章が掲載されており、「一般事務所へのリニューアル工事」の記載があるので二度と立ち入ることはほぼ不可能と思われます。
もしかするとレストラン街がリニューアルされて、再び展望フロアに行けると淡い希望を抱いておりましたが、残念ながら新宿センタービルの展望フロアは完全に閉鎖となった模様です。南無三!
新宿住友ビル
都庁の隣にあり、たまに足を運んでは風景写真を撮影している高層ビル、新宿住友ビルです。
このビルについては、先の記事を書かれたべつやくれいさん著書の「東京おさぼりスポット探検隊」53Pに記載されている通り、2010年1月31日にジューススタンドが閉店し、ベンチも撤去されていおります。
- 作者: べつやくれい
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2010/06/30
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その上で改めて訪問してみると、書籍に介されている通りベンチは撤去、ジューススタンドについては辛うじて形状を残しているもののフロアガイド・掲示板代わりにされています。
なお、ビルのミニチュアモデルは引き続き展示されているので、妙に細かく配置された人形による人間ドラマ(!?)を楽しむことが出来ます。風景については東京都庁の方向のみですが、なかなかの展望が楽しめます。
写真撮影については、新宿野村ビルと同様に手すりが設置されているのであまり窓に近付くことは出来ません。但し、新宿野村ビルよりは窓が近いので日中帯の風景写真は撮影しやすい場所です。夜景撮影については、ラバーレンズフードを窓に密着させられないのでお勧め致しません。
新宿都庁
今まではレストラン街などの一角に設置された展望フロアでしたが、この場所は展望「室」と称されています、今回の高層ビルの中では知名度がそこそこ高めの東京都庁です。
北展望室と南展望室の2部屋あり、内装も北と南で少し異なっています。北側はレストランと売店、南側は喫茶店と多目的スペースが併設されています。*10
風景に関しては、東西南北だいたい360度見回すことが出来ます。一部レストランエリアからしか見ることが出来ない、反対側の展望室からしか見えない部分はありますが、そこはご愛嬌。窓が他の展望フロアよりも近く、窓辺にカメラを置いて撮影することも出来るので、ラバーレンズフードで写り込みを抑えつつ、昼夜問わず写真撮影が楽しめます。*11・・・但し、とある問題がなければ・・・
その「とある問題」と言うのがコチラです。海外からの一大観光地とされているようで、外国人観光客が多数押し寄せて展望室入室に大変時間を要する状況になっています。*12残念ながら非常にエキサイティングで歓喜の声を上げることが多いため、展望室は非常にうるさくなってしまいます。また、撮影マナーの悪い観光客も多く、使用禁止の自撮り棒を振り回す、窓辺で身を屈めてカメラのシャッターを切っているとその上からスマホで写真を撮り出すなど酷い状況となることが多いので注意が必要です。*13
騒がしい場所となってしまいましたが、都庁からの展望は他の高層ビルでは感じ得ない開放的な雰囲気と気軽に綺麗な風景を撮影出来るロケーションが備わっているので、今後も無理しない程度に訪問したい展望室です。
新宿NSビル
気付いたら展望フロアが無くなってしまった、少し他の高層ビルより背の低い高層ビル、新宿NSビルです。
元の記事では30階に展望フロアがありましたが、現在30階はスカイカンファレンスと呼ばれる貸ホール・貸会議室に転用され、ホール・会議室の利用者以外は立ち入りが禁止されています。
しかし、新宿NSビルには29階にレストラン街が設置されており、公式には展望フロアとは称されていませんが29階で外の風景を確認出来るスペースが存在します。
場の雰囲気から察するに業務用エレベーターと非常階段スペースに挟まれた業務用と思われるエリアが南側・北側の2ヶ所に存在し、実質的なビューポイントとなりますが、左右のせり出す壁が邪魔でカメラを縦方向に持たないとこのような写真となってしまいます。
風景を楽しむにも、写真を撮影するにも厳しいものがありますが、上手くカメラを縦方向に構えて望遠よりで撮影すると、下の写真のような風景が撮影できます。(北側の窓から新宿高層ビル群を撮影してみました)
公式には展望フロアと紹介されていないので、一般に開放された展望フロアは存在しない・・・と書くべきなんでしょうが、外を眺める事ができる場所は存在するので、元の記事に記載された展望フロアは失われたものの、非公式ながら展望を楽しめる場所は29階に存在する・・・と言うトコロですかね。*14
まとめ
約10年の間に2ヶ所の展望フロアが閉鎖され、他の場所はリニューアル工事に伴い設備が簡素化されたり、観光客増大に伴い騒がしくなってしまうなど少し悲しい変化も見受けられましたが、依然として高層ビルの展望フロアは(一部非公式ながら展望が楽しめる扱いですが)それ相応に残っているので、数年間は新宿高層ビル群からの風景を楽しむことが出来そうで一安心です。
しかし、展望フロアは各高層ビルの都合もありますし、なにより各高層ビル運営企業のご厚意で併設・利用させて頂いているので、我々訪問者のマナーが原因で閉鎖されるなどの問題が発生しないよう、マナーよく展望フロアを利用していきたいものです。*15
*1:引っ越したり、転職したり、自分は独り身継続中だが知人には子供が産まれたり・・・あれ何か画面が滲んでよく見えない・・・
*2:厳密には11年と数ヶ月
*3:交通費を除いた調査費は150円、都庁の展望室で買った500mlペットボトルのコーラです。・・・いや、普段お茶ばかり飲んでるからたまにはコーラ飲んだって良いじゃないですか!
*4:日本語的には(屋外・室内共に展望の楽しむ施設・設備の事を展望台と呼ぶので)何一つ間違っていないのですが、個人的な印象として「展望台」と書くと屋外設置の印象を感じてしまうので、今回訪問する場所は全て高層ビルの一部のエリアとなるので、室内設置であることを強く強調したいが為に展望フロアと記載しています。但し、都庁のみ「展望室」と称しているので、正式名称に準じて記載します。
*5:正しくは東京都庁、ただ他の建物が全て「新宿◯◯ビル」なので、語呂感を合わせるためにあえて「新宿都庁」と記載しています。
*6:比較的最近の2016年3月31日にレストラン街が閉店したと記されています。
*7:詳しい閉鎖日時は公式サイト上にはありませんが、以前存在した30階について「展望台はございません」の文言があるので、30階の展望フロアは存在しません。
*8:地下通路を経由する場合、一度新宿センタービルを経由して階段を登り下り右に左に移動する必要があるので少し遠いのです・・・。
*9:写り込みを気にしなければ、または写り込みも含めて作品の一つと演出できる方なら、そこそこ人も少ないので撮影ポイントとしては悪く無い場所かと思います。
*10:南側にも売店はありますが、南側よりもかなり小規模となっています。
*11:但し三脚の利用は禁止、卓上三脚でも係員に咎められていることを見たことがありますのでご注意下さい。
*12:直前までエレベーター待ちで数人が並ぶ程度でしたが、この写真を撮影した時は外まで行列が出来ている状況です。
*13:北展望室は夜遅くまで開いている関係上、北展望室が混雑することが多いので、混雑を避ける場合は比較的空いていることが多い南展望室に行くことをお勧めします。
*14:北東エリアにシースルーエレベーターがあるので、シースルーエレベーターから見る新宿高層ビル群もなかなかの風景です。まぁ、写真撮影には不向きですけど。
*15:他の利用者の邪魔にならぬよう、気を使い合いながら利用していきたいものです。