Re:シルの日々の戯言。

散財が生き甲斐になりかけている、デジタルガジェット大好き自称黄色いネズミの戯言。

VMware ESXiからProxmox VEへVMマシンのマイグレーション(V2V)に成功したお話

半年以上前にやーっとProxmox VEと理解し合えた・・・わけではありませんが、余計なことをせずに*1単純にVM(仮想マシン)を動かすだけの条件下で、随分と譲歩してProxmox VEを受け入れました。
sylve.hatenablog.jp

ただProxmox VEを受け入れたからと言って、VMware ESXiの環境を手放すわけには行きませんでした。
踏み台と称したWindows OSの仮想マシンが1台ありまして、その仮想マシンをどうするか・・・。
Windows OSなのでアクティベーション周りの問題があり、下手なことをして移行後のアクティベーションに失敗・(不正しやがったF**k!と)ライセンス失効なんてことがあったら詰みなので、事なかれ主義からProxmox VE配下に入れたESXi上で今の今まで生かし続けてきてしまいました。

ただ、未来永劫入れ子環境で生かし続ける訳にもいかないので、重い腰を上げてProxmox VE配下へのマイグレーション(V2V)を強行した次第です。

一応ウィザードが存在するが・・・

VMwareBroadcomに買収されて以降、様々な「改悪」が続けられたため、VMware製品からExport・V2V機能が様々なハイパーバイザに搭載され始めています。
私がESXiからの移行先として(細々とした不服な部分を仕方無く譲歩して)受け入れたProxmox VEも、随分と前からインポートウィザードが実装され、お手軽にESXiから仮想マシンのインポートが行えるとの謳い文句です。
www.proxmox.com

ただ、どうにも上手く動作してくれません。
テスト用に構築したEvaluation(評価版)のWindows OSをウィザードを利用して移行しても、正常にOSが立ち上がらず「駄目だこりゃ」と長らく放置していました。・・・えぇ、冒頭のとおりアクティベーション周りで問題が発生し、ライセンス失効などでESXi側に残したマシンにも影響が出たら目も当てられないので・・・。・・・個人のお戯れ・お遊び環境を、企業の本番環境移行レベルで物事を考えるな!と言われればそれまでですけど・・・。*2

Windows OSの場合はコツがあるらしい

長らく放置していましたが、最近漠然とネットの大海を探っていると、Qiitaのとある記事が目につきました。
qiita.com

執筆者の方には申し訳ないのですが、Qiitaは正確性に欠ける情報を振りまく印象から情報ソースとして参考にすることは極めて稀ですが、気になる文言がありました。

Windows 10の場合、インポートした状態は起動できません。
sata0に接続されているCD/DVD Driveを削除し、Hard Diskの接続をscsi0からsata0に変更することで、起動出来ることを確認しました。

https://qiita.com/flathill/items/8afdba650c80e37bf7fe

どうやら接続されているデバイスが適切に設定されていないため、正しく起動できない可能性があるとの情報があり、試しに移行してみる価値があると判断しました。
・・・結果的にこの問題が原因だったようですが、私の場合は起動ディスクがsata1として認識されていましたが、念の為sata0に変更して電源を投入したところ無事に何事もなく起動しました。

Qiitaの記事が2024年5月のタイムスタンプのため、Proxmox VE側のバージョンアップで改善・改良が加えられ、実は適切にV2Vできるようになったのかも知れません。ただ、今更検証なんて面倒なので「移行できるなら移行したろwww」精神で、私にとっては重要な本番環境である「踏み台」の移行に踏み切った次第です。

VMware Toolsが消せない問題

Proxmox VEに移行できて、やったバンザイ!完!・・・と思いきや、1つ問題が・・・。

Proxmox VEに移行したのでVMware ToolsからVirtIO Driversへの切り替えが必要です・・・が、Proxmox VEに移行した環境からVMware Toolsを(アプリの追加と削除の画面から)削除することができません・・・。
そんなところで妨害すんなよ・・・と思いつつ、調べるとアンインストール用のPowerShellスクリプトが存在するようなので、こちらを利用して削除する必要がありそうです。
Force removal of VMware Tools, Program Files, and Windows Services · GitHub

ネットの大海を調べると同じくこのPowerShellスクリプトを利用している事例がありますが、もし「何処の馬の骨か分かんねえヤツのコードなんぞ使えるかどアホが!!!11」との場合、一応Broadcomからも手動削除の手順が公開されてるのでこちらを参照してくださいませ。
knowledge.broadcom.com

Proxmox VEにV2V後にやること

上記でVirtIO Drivers導入とかVMware Tools削除とか書いてますが、Windows OSをESXiからV2V後にやるべきことをザクッとまとめておきます。

動かしているものによっては他に設定変更が必要な部分があるかも知れませんが、踏み台相当としてRDPで接続する程度で利用している場合は、以下対応だけで大丈夫でした。

VirtIO Driversの導入

Proxmox VEのかVM仮想化はKVMベースのため、KVM利用時に必要なサポートツール(デバイスドライバなど)を導入する必要があります。
必要な情報はProxmox VEのWikiサイトに記載があるので、ISOファイルをダウンロード・参照可能な領域に格納してV2VしたWindows OSでマウント・インストーラーを叩いておきましょう。
pve.proxmox.com

VMware Toolsの削除

今後はVirtIO Driversを利用するので、VMware Toolsは残しておいても害はないと思いますが削除しておきます。

アプリの追加と削除から消すだけですが、上記のとおり上手く消せない場合はPowerShellスクリプトを利用・Broadcomサイトに書かれてる手動削除手順を実行するだけです。

IPアドレスの設定

環境次第かも知れませんが、V2Vに伴いネットワークデバイスが変更になり、IPアドレスの再指定が必要になるかも知れません。
こちらは設定・コンパネお好きな方法でIPアドレスの再設定を実施してください。

ちなみにLinux OSは大丈夫だった

懸念事項のWindows OSは上記のとおり移行できましたが、実はいくつかのLinux OSもESXi上に残っていました。
・・・えぇ、DNSサーバーとして動作する広告ブロックサーバーのPi-hole*3セカンダリとして動かしている仮想マシンや、旧ナレッジサーバーなど数台がESXiに残ったままでした。
sylve.hatenablog.jp

これらはスクラップ・アンド・ビルドでProxmox VE環境上に作り直す予定でしたが、時間的と言うか心理的な余裕が無くなってしまったため、大変中途半端な状況で残っています。
・・・一部はハコが出来てるんだから、さっさと移行しろって話なんですが、移行に合わせてナレッジの最新化とか企み始めたのが諸悪の根源だったんですね(白目)*4

閑話休題Windows OSの移行に成功して調子に乗り、残ってたLinux OSの移行も同じタイミングでウィザード利用で移行しました。
結果としては、ネットワークデバイス名が変更されるため、IPアドレスの再設定だけでOKです。
もしネットワークデバイス名までガッツリ指定するミドルウェアを利用されている場合は該当configを修正する必要があると思いますが、Podmanを利用したコンテナを利用してゴニョゴニョしてる環境下では、IPアドレスさえ修正(新しいネットワークデバイスに付与)すれば問題解消でした。

ウィザードが改良されたのかどうか

前情報だとウィザード経由だと上手く移行ができず手動修正が必須とのことでしたが、今回試行したところ仮想ディスクのデバイス名を見る限りは問題なく設定されてるように見受けられました。・・・念の為にQiita記事にあるとおりデバイス名の番号まで合わせましたが、もしかすると今は余計なことをせずとも移行できるようにウィザード側が改良されたのかも知れません。

そのため、もしProxmox VEのウィザードが信用ならん!だがしかし手動移行は面倒な限りでESXiが手放せねえ!!・・・と言う方がおりましたら、Proxmox VEウィザードでのESXiデータインポートを試験的に試してみてください。
当初は「なんかよくわがんね」な状態でしたが、今は問題なく移行できる環境になっている・・・かも知れません。
ただ、万全を期す場合は仮想ディスクのデバイス名に注意が必要です。可能ならQiita記事にあるとおりブートドライブになっている仮想ディスクをsata0に設定すると、無用なトラブルを避けれる・・・かも知れません。

*1:当初はGPUパススルーで遊ぶんだい!・・・とアレコレと試しましたが、ハードウェア構成の都合もありGPUパススルーは私の環境では不可でした・・・。

*2:むしろ企業の本番環境移行ならボリュームライセンスなどで複数のライセンスを所有してるでしょうし、V2Vマイグレでライセンストラブルが発生してもライセンス入れ替えで済む可能性が微レ存?

*3:駄文にゅうすさんトコで知ったDNSベースの広告ブロックサーバーですが、ルーター側で参照DNSを設定できる場合はiPadだろうがNintendo Switchだろうが(DHCPIPアドレスが貰える環境なら)設定無しで広告ブロックの恩恵を受けれるので、本当オススメです。・・・と言うか普段声を大にして言わないけど、駄文にゅうすさん本当Pi-holeを紹介として教えてくれてありがとう!!!11

*4:お陰でそこまで本数の無いナレッジ移行が未だに終わらず、余裕の無さから中途半端な状況が続いてしまっています・・・。