Re:シルの日々の戯言。

散財が生き甲斐になりかけている、デジタルガジェット大好き自称黄色いネズミの戯言。

どうしてもProxmox VEを好きに慣れない

VMwareBroadcomに買収され、我々ユーザー目線からすると凄まじい改悪を続けており、2024年1月には無償版ESXiのライセンス完全終了と言うニュースが駆け巡りました。
sylve.hatenablog.jp

これは私も含めた少なくないユーザーが思い込んでいたことですが、ESXi 8.0あたりからWindows 11で必須要件入りしたTPM(正しくはTPM 2.0)に標準対応してくれるものと思っていたものの*1非対応に終わり、その上で無償版ESXi提供終了で一気にプライベートユーザーでの脱VMwareが促進された感が強いです。

乗り換え先候補として、プライベート用途だとProxmox VEが優勢と言ったところでしょうか?無償版ながらもESXiでの有償ライセンス相当機能が利用可能でTPM 2.0にも正式対応しているため、手放し・ベタ褒めに近い形で称賛されている感が拭えませんが、実際問題とそて無償版ESXiの乗り換え先としては唯一の現実的な選択肢と言えるでしょう。
www.proxmox.com

そんなProxmox VEですが、私も新たなハードウェアを準備の上で絶賛検証中です。変化することが必ずしも賢い選択と言うわけではありませんが、大本営発表でサポート終了までは面倒を見る(今ライセンス持ってる人はサポート終了のその時までパッチ類も無償で出す)と言われているものの、いつかは終わりを迎えるので乗り換え先を考えておくこと自体は必要なことです。

・・・ただ、どうにもProxmox VEを好きになれません。
無償版でもフル機能が利用可能で、VMware ESXiのように変なハードウェア制限も無く、Debian GNU/Linuxベースなのでカスタマイズはやり放題です。*2
しかし、単なる天邪鬼思考なのか・変化を嫌う老害思考が原因なのか、どうしてもProxmox VEが好きになれません。

インストール時にパーティション設定ができない

些末な問題の1つですが、Proxmox VEではインストール時にパーティション設定が行えないようです。
システム領域兼ISOファイルデータ領域として、(インストール先の容量次第ではありますが)一定割合で選択権なしに領域が確保されてしまいます。
私の場合は500GB SSDにProxmox VEをインストールしましたが、100GBが固定で確保されてしまいました。ISOファイルはNFSマウントでNASを参照させる予定のため、もっとシステム領域兼ISOファイルのデータ領域を縮小させたいと思っています。

VMware ESXiも一定容量をシステム領域として強制確保されるのは同じですが、インストール時にオプションを指定することで割り当て容量の調整は可能です。*3
docs.vmware.com

令和の時代、ストレージ容量でケチケチするなと言われてしまうかも知れませんが、従来のESXiでは実現出来たインストール時の容量指定が出来ないと言うのは小さな不満になります。

ADD : 2024/05/14
よくよく見てみると指定できました・・・。(気に食わない部分はあるけど、できるのに出来ないとか言い張ってゴメンよProxmox VE)
Target Harddiskの項目で導入したいストレージを選択後、Optionsボタンを押下することでシステム領域にどのくらい・データ領域としてどのくらい割り当てるのかが設定できました。

後述の通りNFSマウントさせると勝手なディレクトリを作成したり気に食わない挙動をするので、私の場合はシステム領域兼ISOデータ領域に全部割り当てたほうが良い気がしてきました。
ADD END : 2024/05/14

NFSマウント先に勝手なディレクトリを作る

上記でISOファイルはNASを参照させてNFSマウントさせたいと綴りましたが、NFSマウントは可能です。
当面はESXiと共存させる予定なので、ESXiで利用していたISOファイル格納領域をマウントできるのは好ましい限りです。

ただ、Proxmox VEでは然るべきディレクトリに然るべき配置で格納されておく必要があるようで、マウントISOファイル格納領域にProxmox VE専用のディレクトリを作りました。
既にNFSマウントした領域にはISOファイルが格納されているにも関わらず、既存ISOファイルは全て認識せず、Proxmox VEが Proxmox VEのためだけに利用するProxmox VE専用ISO格納ディレクトリにISOファイルを格納しなければならないようです。*4

ある程度のお作法があるのは仕方ありませんが、一応Proxmox VEでNFS領域をISO格納の領域と指定できるにも関わらず、余計なディレクトリを作成した挙動はそこはかとない不満になります。

サブスクリプションユーザーを咎めるメッセージが煩わしい

どのサービスも無償版と言うのは有償版への誘導路の1つで、基本的には「課金してね、購入してね」のメッセージが表示されるorマネタイズとして広告が表示されるものです。

Proxmox VEの場合は「非サブスクリプションユーザーです」の旨を表示してきますが、少々煩わしいレベルで表示されます。
ログインして(非サブスクユーザーと)表示され、アップデート時にも表示され、そこはかとなくよく見るであろう画面では初手「非サブスクです」メッセージです。

一方でESXiの場合、無償版ユーザーでも「あなたは無償版ユーザーです」のメッセージは一切合切表示されず、ただ機能制限があるだけです。
機能制限と言っても、完全に無効化されているので「こんな機能使えます(ただしこのライセンスでは使えません)」のような生殺しはありません。・・・強いて言えばvCenter Server*5のリンクが表示されてることくらいでしょうか?
そんな控えめの姿勢だったから現状(Broadcomに買収・無償版打ち切り)に陥ってしまったと言えなくはないのでしょうが、無償版ESXiでは執拗なメッセージを出してこなかったために、Proxmox VEが別に悪意無い「非サブスクユーザーだよ」メッセージに対し、必要以上の悪印象を抱いてしまいます。

・・・個人的にはProxmox VE側が「非サブスク」メッセージの表示ロジックを毎回のように変更して、ユーザーが非表示化させても対策してくる部分が嫌いと言うか、(無償版出してると言えどサブスク誘導したい)気持ちは分かるけど・・・と言うところ。

PCIe NIC挿したら既存NIC名が変化した

今のところ私がProxmox VEに踏み切れない最大理由がこちらで、先日Proxmox VEサーバー用にNUC9i7QNXを調達し、10GbEのネットワークカードを挿しました。
sylve.hatenablog.jp

その際、実は既にProxmox VEをインストール済みだったのですが驚くことにネットワークカードを挿したら既存のNIC名が変化してしまい、結果的に自宅内ネットワークに接続できなくなりました。分かりやすい雑なイメージとして、NIC増設前にens192だったのに、増設後はens172に変化するレベルです。

これが何を意味するかと言うと、何らかの環境変化が生じた場合にネットワークに繋がらなくなるなどの問題が発生し、面倒なことになります。
流石に運用中の環境に対しNIC増設のようなことは行わないと思いますが、仮想マシンへのブリッジ設定が関係するため復旧作業がクッソ面倒なことになります。ましてDebianLinuxディストリビューションに不慣れな場合、正直言って「詰み」です。*6

非常に類稀な事象とは重々承知しているつもりですし、何なら稼働中の環境にNIC増設と言うのは「不足のトラブルが発生しても当然だろ!」くらいには思いますが、だからと言ってNIC名が変わって根本的に接続できなくなると言うのは予測できませんでした。有識者からすれば至極真っ当・社会常識レベルのことかも知れませんが、個人的にProxmox VEを信用できなくなりました。

ESXiの場合はどんな挙動を示すのかは検証できていませんが、ESXiの場合はLinuxでは一般的なensなどでは無くvmnic*などの識別子なので、運用中にNICを増やしても大きな問題にはならないような気がします。*7

お先真っ暗のESXi継続か、不信を抱いたProxmox VEか

人によっては新しいものが絶対正義であり、比較対象としてのESXiは時代遅れ甚だしく、ESXiに執着するのは変化を嫌う老害思考であり愚の真骨頂くらいに言われてしまうかも知れません。
その一方で、大本営発表で信頼して良いかは別問題ですが最低限ESXi 8.xの寿命を迎えるその時までは(無償版含めた既存ユーザー向けに)パッチ類の提供は行われると言われているため、現状一部の不満(TPM 2.0が有償版限定機能)はあれどユーザー次第では使い続けても問題が無いという事実もあります。

人によっては「オマエ単にProxmox VE使わない理由探してるだけやろ!それは老害思考言うんや!」と辛辣な言葉を浴びせられてしまうのかも知れませんが、正直私はProxmox VEに乗り換えると言う選択肢が急速に消えつつある状況です。

無論、私が無知なだけ・調べ方が今の時代に合っておらず必要な情報を見つけられないだけ・ワガママ言ってるだけなど、自分自身に原因があるかも知れません。
ただ、世間様で持て囃されているProxmox VEに対し、どうにも自分には合いません。郷に入れば郷に従えと言う言葉がありますが、現時点では無理に移行したとしても、Proxmox VEとは仲良くなれなさそうです。

とは言うものの、ESXi・・・と言うか現在利用しているESXi 8.0は近い将来に利用できなくなり、無償で使えるESXiライセンスが消え去り最終的にはProxmox VEへ乗り換えざるを得ないことも重々承知しています。私の年齢的に(単に年齢だけで老害判定される頃合いと言うのもあり)新しいものを受け入れるなら早い方が良いでしょうし、そうで無くとも慣れるならば早め早めに行動・利用した方が好ましいです。

私の中で結論は出ていませんが、当分の間はライセンス持ってるのでESXi 8.0環境を継続するのか、または不平不満があろうと自宅サーバー界隈としては(無償で様々なハードで制約なしに動作する)唯一の選択になるであろうProxmox VEに移行するか。他人からすると極めて「どーでもいーこと」この上ないことですが、まだまだ悩ましい日々が続きそうです。

*1:浅はかな考えは私だけ・・・と思ったら、ネットの大海を見ると「TPMが課金機能継続とか、VMware信者辞めます」みたいな呟きがチラホラ漂っていたため、無償版ESXiでTPM 2.0対応は需要があったとともに、需要あるのだから課金要素(有償版機能)のままになるわなぁ・・・と思ったり思わなかったり。

*2:Proxmox VEはDebian GNU/Linuxベースなので、コンソールでは普通にaptコマンド叩けますし、各種ファイル構成もお作法もDebian GNU/Linuxそのものです。

*3:実はこのオプションの存在を知らず、現在利用中のESXiサーバーの起動ディスクはそこそこの容量を喰われてたり・・・。

*4:少々言葉が荒れていると言うか、「なにそんな低レベル以下の話で一人勝手にイライラしてんのwww」と煽られそうですが、個人的にはかなりイケてない部分です。

*5:集中管理用のソリューションで、要ライセンス=課金要素です。

*6:一応プライベートでDebian派生のUbuntuを触れていますが、生業としてはRedHat系なので(デフォルト環境下での)お作法が異なります。

*7:ちなみにコミュニティードライバー適用してUSB-NICを利用してる場合はvusb*と言う識別子になります。