Re:シルの日々の戯言。

散財が生き甲斐になりかけている、デジタルガジェット大好き自称黄色いネズミの戯言。

もっとメモリ積める機種にすべきだったか

不必要に自宅サーバを買い替えて、VMware vSphere Hypervisor(ESXi)を動かして数週間が経過しました。
15インチのモバイルワークステーション(ノートPC)から超省スペースのデスクトップPCとなり、サーバとしての占有スペースが大きく減ったため、(テレワーク用とは別の)業務用ノートPCの保管場所に使えたり、アフタータイムの卓上を広く使えるようになったので大変にヨロシイことです。
sylve.hatenablog.jp
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しかし、突発的な買い替えでHaswellおじさん*1から脱したのは良いのですが搭載メモリ容量が従来と変わらず32GBしか無い部分が不満になりつつあります。

そんなに沢山仮想マシン動かすの?

通常の用途ならば、32GBと言うメモリはかなりの大容量であり、個人用途ではオーバースペック甚だしい容量です。
しかし、実際に運用していくとなかなか厳しい容量だったりします。

現在の仮想マシンへのメモリ割り当て状況を綴ると・・・

  • ESXi上の仮想マシン管理用・自称踏み台Windows10 Proマシン
    • メモリ6GB割り当て
      • 当初は8GB割り当てだったが容量枯渇から削減
  • GitLab & Re:View動作用Ubuntu 18.04 LTSマシン
    • メモリ6GB割り当て
      • 当初は8GB割り当てだったが容量枯渇から削減
  • Redmine動作用CentOS 8 Streamマシン
    • メモリ4GB割り当て
  • Active DirectoryWindows Server 2019 Standard Edition(Evaluation)マシン
    • メモリ4GB割り当て
      • 本当はAD動かすので8GBほど割り当てたかったが容量枯渇で上記設定
  • IPAのシンテレワークシステム動作用Windows Server 2016 Standard Edition(Evaluation)マシン
    • メモリ4GB割り当て
  • 監視サーバ用検証向けCentOS 8 Streamマシン
    • メモリ2GB割り当て
      • 残容量から割り当て容量を削減

現状26GBほど仮想マシンに割り振っており、空き容量は(ESXi側で確保された容量を除くと)5GB程度です。
本音を言うと、実験的にUbuntu 20.04 LTS環境を確保したかったり、ADはプライマリ・セカンダリの2台あった方が良いと言われてるのでもう1台AD専用の仮想マシンを確保したいところですが、残念ながら残り5GBしかありません。1台あたり2.5GBに抑えれば仮想マシン2台は作れなくはありませんが、それで打ち止めです。

使い方次第だけども

正直なところ私の場合はメモリ容量は64GBあった方が良かったと少々後悔していますが、OptiPlex 7040 Microは32GBが物理的な限界ですし、物理的スペース抑制も必須事項と掲げていたので落とし所としては妥当なところでしょう。

メモリは多ければ多いほど良いのは周知の事実ではありますが、実際の(仮想マシンでの)消費メモリはどのくらいかと問われるとそこまで消費していませんし、踏み台を称する仮想マシンでさえ5GBを超えるような状況は極めて稀です。*2

ただし、正直使い方の問題と言うのも言えなくはありません。6台の仮想マシンは全機同時起動させておく必要があるのでしょうか?
自称踏み台・GitLab & Re:ViewRedmineの3台は主要な仮想マシンで常時起動させておく必要はあるでしょう。特にGitLab & Re:ViewRedmineは両方完全なるサーバ用途です。
しかし他の仮想マシンは常時起動させておく必要性は全く無いでしょう。Active Directoryサーバは心象的には常時起動させておきたいところですが、そのADを利用するクライアントはこの仮想環境以外では存在しないので未使用時は停止させておいて構わないでしょう。
シンテレワークシステム動作用のサーバも同じです。一応Active Directoryと連携させてドメイン認証を走らせていますが、必要なときのみ電源を投入すれば良いでしょう。踏み台としては別の仮想マシンが常時起動扱いですし・・・。
監視サーバ用の検証マシンに至っては常時起動させておく必要性がありません。まだまだ監視サーバとしてどんなソリューションを使うのかは未確定で、箱だけある状態です。選定を終えてからでも遅くはありません。

そうなると常時起動させておくべき仮想マシンの合計消費メモリは16GBで済みます。ESXiの取り分を考慮しても15GB程度は空いていることになるので、空き容量としては十分すぎます。

この環境は私のプライベートな一種の自宅ラボ環境とも呼べる環境なのでどんな方針で使おうが個人の勝手で終了ですが、私が注ぎ込める金銭的にリソースは著しく限定されるので、身の丈に合った使い方をするべきだと思います。なので、理想は全仮想マシン起動状態でいつでも即座にRDPなりSSHなりで接続できることではありますが、必要な仮想マシンのみ常時起動でその他は基本的に停止状態で運用して行こうと思います・・・。

本音を言うならストレージも・・・

今回は本体の大きさを最優先したのでストレージをケチったのは仕方ないのですが、ストレージをもう少し多めに搭載してもよかったかなぁ・・・と。

現状M.2 NVMe経由で500GB SSDSATAで1TB SSDの都合1.5TBほど容量がありますが、スナップショット(簡易バックアップ)*3を取ることを考えると、もう少し容量を確保したいところです。
具体的にはNVMeのSSDを1TBと今の倍くらいのサイズを確保するとか、SATA SSDを2TBの容量にするとか・・・。もっと言うなら本体サイズをMicroではなくSFF(スモールフォームファクタ)などワンサイズ大きいモデルにすればもう1台SATA SSD積めたり、光学ドライブが搭載されてれば2nd Bay化の部品を使えたりするんでしょうけど・・・。

今回は費用を抑えるためにNVMe SSDを500GBに容量抑えたり、手持ちの(Hyper-V仮想マシンが入ってた)SATA 1TB SSDを使ったりしているので致し方ないのですが、もっと容量を確保しておきたかった・・・と言うのが正直なところです。

今の環境で満足するしかないけど

省電力モデルとは言えデスクトップCPUを搭載して、RAMも上限一杯まで搭載して、全ストレージSSDの構成とvSphere Hypervisor(ESXi)を動かす環境としては贅沢三昧な環境です。そんな環境を65WのACアダプタで動かせるので、消費電力面でも素晴らしい限りです。*4

また、無計画に衝動買いした環境*5なので、ある意味「安物買いの銭失い」を具現化した愚かな行為だったのかも知れません。

買っちまったものは仕方ないので末永く大切に使っていくしかありませんが、もし次回買い替える機会が訪れた場合は衝動に狩られてその瞬間の短絡的な思考判断に走らないよう注意して行きたいところです。
・・・とは言うものの自分自身の理想と現実の戦いになり、どこをどのくらい妥協するかの願望に勝たなければ恐ろしい出費をやらかしそうなので、少なくとも2021年の間は衝動的にPCを買わないよう注意して過ごしていきます。・・・まぁ、サーバでは無いものの既に1台衝動的に買っちまおうか否か思ってるPCがあったりするので、即落ち2コマ漫画になりかねないんですけどね!*6

*1:少し前まではSandy Bridgeおじさんとも呼ばれていましたが、早い話が特定世代を愛するあまりに(基本性能は大差ないなど)都合の良い理由から執着が強くなり過ぎ、必要な時代の変化を拒絶するようになってしまった悲しき存在。

*2:まだ10台まで突っ込めた頃に取得したSophos Homeアカウントのお陰で仮想マシンにもウィルス対策製品を入れてて、更にお遊び用途でGoogle Chromeまで入れててメモリをある程度食われるような環境ですが、6GBあれば必要十分でした。

*3:スナップショットは厳密にはバックアップでは無いので、原理主義者から罵声が飛んできそうですが、端的に表すならバックアップが便利な表現と言うのも事実・・・。

*4:旧環境のThinkPad W541は180WのACアダプタを使ってたので、常時全力で動いている訳では無いにせよピーク時の消費電力は圧倒的に低くなりました。

*5:漠然とは考えていましたので完全な無計画ではありませんが、世間的にはOptiPlex 7040 Microの購入は無計画になるんですよね・・・。

*6:LTEモデム内蔵Skylake世代のモバイルノート、Latitude 7370も部品取り付けてLTE内蔵ノートと化していますがモバイルノートとは言い難い大きさなので、大変なまでに興味津々です。

一部問題はあるもののESXiでiGPUのパススルー出来た

少し(仕事から)現実逃避して、ご自慢・・・でも無いがVMware vSphere Hypervisor(ESXi)の管理画面をポチポチしていたところ、なにやらiGPU(Intel HD Graphics)がパススルー可能っぽいことに気付きました。
試しにパススルー有効化をしてみたところ、不通に有効化出来たようでステータスが「アクティブ」と表示されました。
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・・・これは、vGPUを目論んだものの上手く行かず、vGPUと勘違いし続けてきたGPUパススルーが出来るチャンスじゃね?・・・と言うことで仕事を少しだけそっちのけでコネコネと触ってみることにしました。
sylve.hatenablog.jp

試した環境について

アレコレ綴る前に、私が試した環境がどんなものなのかを綴っておくことにします。
・・・まぁ、私の場合は過去に戯言のネタで割と晒しているので今更感がありますが、幼稚なナレッジではありますが前提条件とかは明確にしておいた方が何方かのお役に立つかも知れませんし・・・。

  • ESXiのバージョン
    • VMware vSphere Hypervisor 7(ESXi-7.0U1d-17551050-standard)
    • (この戯言日記を書いている時点で)最新の7系統で、最新のUpdateを適用させた環境です。
  • ハードウェア
  • 適用予定の仮想マシンOS
    • Windows10 Pro 20H2 (x64)
      • 現在の環境向けのESXi管理用・・・だったが、リモートデスクトップ接続経由で使う踏み台マシンとして使っちゃってる奴。

一個人がイキがってESXiを動かしている環境と思ってください。
記載の通り、ガチガチなサーバ向けハードウェアではありません。あくまで私個人がニワカ知識程度でESXiを触れる・冗長性皆無のストレージ構成で手軽に仮想マシンを動かして楽しむ程度の環境です。

iGPUパススルー設定方法

やり方は簡単です。
iGPU(私の環境ではIntel HD Graphics 530)をチェックして、メニューの「パススルーの切り替え」をクリックするだけでOKです。
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私の場合は再起動不要で有効となりました。dGPU(PCIeスロットに差すタイプで、俗に言うグラボ)を利用する場合は再起動を求められる場合もありますので、再起動を求められたら再起動してください。*2

仮想マシン側の設定

パススルー側は以上でOK、あとはパススルーしたGPUを利用したい仮想マシン側の設定です。
仮想マシン側の設定は、はてな村の住人が必要な情報を公開しています。
naba-san.hatenablog.com

・・・ESXi6.7の時点で実現出来てたんですね。*3

情報は掲載されていますが、私も要所だけスクリーンショットを取得して綴っておくこととします。
設定箇所は3か所、いずれも割り当てたい仮想マシンの設定になります。

1つ目は、仮想マシンの設定パラメータに手動で以下のキーを入力します。
これを忘れるとデバイスマネージャー上でコード31を吐いてデバイスドライバが入りません。
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hypervisor.cpuid.v0 FALSE

2つ目は、仮想マシンPCIバイスを追加します。
メニューから投入するだけでOKに加え、パススルーデバイスを複数設定していなければ自動的にパススルーさせたデバイス(私の場合はIntel HD Graphics 530)が選択されるかと思います。
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3つ目は、仮想マシンのメモリ設定、予約欄のメモリを割り当てメモリ容量を同じサイズを指定します。
私の場合は6GBを割り当ててますが、予約欄に同じく6GB(またはMB単位変換の値、右側でMB/GB切り替え可)を指定します。*4
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設定は以上、あとは仮想マシンを立ち上げてWindows Update経由でデバイスドライバが当たることを確認するだけです。

動作確認

デバイスドライバが適用されればタスクマネージャーのパフォーマンスタブでGPUが確認できるようになります。*5
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通常時でも「なんか軽いぞ?」と感じられるかも知れませんが、適当な動画サイトの動画を再生させて、再生支援が効いているかどうかを確認すればすぐ分かると思います。
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画像では、(今は仕様変更でベンチマークとして機能しなくなった)ニコニコベンチマークの動画*6を再生させていますが、タスクマネージャー上のGPUのグラフがピョコピョコ反応しているので、無事に仮想マシン上でGPUが機能していることの確認が取れました。

お陰でリモートデスクトップ接続を経由してニコニコ動画を再生させても快適なめらかに再生され、フルスクリーンにしても紙芝居状態にならず、高解像度ディスプレイでスケーリングを効かせフルスクリーン*7で再生させると流石にコマ落ちが出てきますが、多くの場合は再生支援が効いて快適な視聴が楽しめます。

また以前vGPU云々の戯言で触れた記事にある通り、近年のWindows OSはリッチなUIを実現するためにGPUへの依存が増えつつある状況のため、パススルーでGPUが利用できるようになりソフトウェア的な描写が減るので全体的な負荷軽減につながります。*8
cloud.watch.impress.co.jp

iGPUのパススルー有効時の注意事項

個人環境としては良い感じに利用できていますが、iGPUをパススルーさせる場合の注意事項がいくつかあります。
あくまで個人のお遊び環境としての観点ですが、iGPUをパススルーさせようってシチュエーションは恐らく個人用途がメインだと思うので、一応前提条件注意です。*9

  • ESXi自体を再起動させる場合、iGPUのパススルーオフ→オンの操作が必要
    • ESXi自体を再起動させると(iGPUは)認識はするものの、「パススルー/再起動」の旨のメッセージが出ます。そのメッセージに従い再起動させても「パススルー/再起動」の表示は変わらないので、パススルーのオフ→オンと操作する必要があります。
    • ちなみに、「パススルー/再起動」の表示状態で(パススルーの設定を施した)仮想マシンを起動させようとエラーとなり起動しません。
  • 物理コンソールの出力が行われない。
    • 少し考えれば当たり前のことですが、唯一のGPUをパススルーで利用することとなるので、コンソール出力(本体HDMI/Display Port端子)にモニターを挿しても何も表示されなくなります。
    • 基本的にWebコンソール経由の操作となるので、よほどのトラブルが発生しない限りは直接コンソールを見ることは無いと思います・・・が、何かあったときに泣きを見ることになりそうです。

パススルーのオフ・オン操作が求められるのは、恐らくは起動時にiGPUでコンソール出力をしているからだと思われますが、今回は「仮想マシンでiGPU使えたバンザーイ!」で終わらす予定なので詳しい理由を調べる気はありません。
ただ、物理コンソールの出力が行えないのはチョット気になる部分です。直近、UPS買おうとか戯言を綴ってて、停電時に停止が必要となった場合にESXiサーバ単体の操作で完結しなくなってしまうのでチョット不安な部分ではあります。
sylve.hatenablog.jp

踏み台用の物理PC購入を検討していたが・・・

一部問題はあるものの、vGPUではないものの、GPUパススルーで仮想マシンのレスポンスが良好になりました。
そのため、VPN経由で侵入した際の専用物理PC買おうかなぁ・・・とか思っちゃってたりしてたのですが、そんな必要は無くなり仮想マシンだけでどうにか出来そうです。

いえ、そもそも論としてESXi上の仮想マシン群を管理するために建てた仮想マシンなので踏み台として使うな・ニコ動見るな*10ってのはありますが近年はWindows自体が結構グラフィック性能を求められるので、快適に利用できるということは好ましいことです。

もしESXiを利用してて、仮想マシンを管理するためにESXi上に仮想マシンを立ててると言う方は、世代次第かも知れませんがiGPUのパススルーをやってみると良いかも知れません。・・・もちろん、コンソール出力が出来なくなる問題が些細な問題と言い切れる方に限定されますが・・・。

*1:厳密にはもう1スロットSSDさせるM.2ソケットがありますが、2230規格で一般的には無線LANカードなどを差し込むソケットのため+日本国内で2230規格のM.2 SSDが入手困難なので搭載していません・・・。

*2:当然のことですが、再起動する場合は起動中の仮想マシンをすべて停止させてから実施してください。

*3:以前はノートPCサーバでHaswell世代でしたが、その頃は出来なかったような・・・。でもこの記事を見るとSkylake世代のCPUなので、CPUの世代の問題なのかしら?

*4:上記2点の設定すませて、さー起動させるぞ!・・・と思ったら起動せず。でも親切丁寧に「この設定が足りません」と出てきてくれたので、最近のシステムは使い手に優しくて助かります。

*5:なかなかデバイスドライバが当たらないなぁ・・・と言う場合は手動でWindows Updateを実行してみてください。また、先のパラメータ追加が漏れていた場合はデバイスマネージャーでコード31でエラーが出てるかと思います。

*6:2016年10月くらいからHTML5対応の兼ね合いでトランスコード・再エンコードが入るようになり、CPUパワーや再生支援機能がどのくらい効いてどのくらいのレベルまで快適に再生できるかをチェックすることが出来なくなりました。

*7:iPad経由でリモートデスクトップ接続を利用するとスケーリング機能が効いて表示させるんです・・・。

*8:実際にはGPU以外もソフトウェア処理でゴリゴリ動いているのでCPU使用率は高めですが、体感では結構軽くなった感があります。

*9:業務でやることは無い・・・と言うか、その手の場合は素直にvGPU使えって話になるわけでして。

*10:すんません、真面目な用途で作った割には仕事PCからリモートデスクトップで繋げてニコ動とか見ちゃってます。

今更だけどUPSの導入を考えることにした

現在の自宅サーバ環境は小型デスクトップPCを流用した俗に言うPCサーバと言うヤツです。
sylve.hatenablog.jp

そのため、万が一停電が発生してしまうと問答無用に電源が落ちてしまいます。・・・この人、パソコン馬鹿なのになにを至極真っ当な当たり前のことを・・・と思われるでしょうが、その当たり前のことを戯言日記に明記している理由として、直前までノートPC(モバイルワークステーション)を流用した俗に言うノートPCサーバを使っていたので、停電が発生したとしてもノートPCに内蔵されているバッテリーがUPS(無停電電源装置)替わりとなり、一時凌ぎが出来ていたからです。・・・シレッとノートPCサーバと口走りましたが、ノートPCをサーバとして使うな警察に手配される危険な行為なので、皆々様はリスクや危険性を把握した上で*1公言せずコッソリ行うようにしてください。
sylve.hatenablog.jp

閑話休題、現状のままだと停電発生時は当然ですが、稀に発生する可能性がある電圧降下などの瞬電(一瞬だけ停電するようなヤツ)にも耐えられず、毎回電源が落ちることとなるので、サーバとして使うには都合が悪いです。
更に、都合の悪い事実を見て見ぬふりをしてきましたが、(主に仮想マシンを動かす環境としての)自宅サーバを利用する前からNAS(ファイルサーバ)を利用していますが、このNASも停電する=電源が落ちる状況です。パソコンオタクでパソコン馬鹿を自称しておきながら停電トラブルに大変なまでに脆弱な環境を今のこの瞬間も放置している状況です。*2

これは・・・UPS買うか・・・。

UPSとはなにものか

多くの(デジタルガジェットに精通されている)諸兄・諸姉の方々には説明不要の基礎用語とは思いますが、自分自身が人様へご説明する場合の練習を兼ねて*3説明しよう!(CV.富山敬氏)

冒頭でちらっと「無停電電源装置」と日本語を綴っているのでお察しのとおり、停電時にも電源を供給し続けるための装置ですが、乱暴に表現するなら電源タップ(ACタップ)にバッテリーを搭載したものです。*4
バッテリーを搭載しているので、数時間動いてくれそうな印象を抱く人もいるかも知れませんが、UPS(無停電電源装置)はコンピュータを安全に停止させるだけの時間を確保することを目的としていることが多いので、基本的には停電発生=なる早でシャットダウンを行う必要があります。・・・とは言え、常時コンピュータの前に居られる訳では無いので、UPSとサーバ・パソコンをUSBケーブルなどで接続して、専用ユーティリティを利用してUPSのバッテリー残量が少なくなった場合は自動的にシャットダウンさせる仕組みを利用したりすることが多いです。

バッテリーを搭載しているので停電復旧まで生き残れそうな印象があるかも知れませんが、多くの場合は安全にサーバやパソコンの電源を落とすための猶予時間を確保することが目的とされています。製品によってはUSBケーブルなどでサーバ・パソコンと接続させユーティリティをインストールしておくことで自動的に電源を落とす仕組みが整っている場合もあります。

UPSによっては、不意の電圧降下や瞬電にも対応できる場合があります・・・が、今回私が手を出そうとするような低価格品の商品にはそのような機能は備わっていないので、とりあえずこの戯言日記的には「停電しても大丈夫なバッテリー付き電源タップ」くらいの認識でOKです。

UPSを選定する上で最低限考慮する部分

UPSの選定を行う上でどうしても避けられない部分として、正弦波・矩形波と呼ばれる摩訶不思議な言葉があります。

バッテリー駆動時の電源出力波形のことだが、これについて詳しいことを綴ろうとすると電気工学の話に発展するので*5端的に綴ると・・・

  • 正弦波
    • 商用電源(コンセント)から共通されるのと同じ方式
      • オシロスコープ(測定装置)で見ない限り分からないが、滑らかな曲線状の波形
    • コンピュータで利用するのに最適な方式だが、回路基盤が複雑になり割高
  • 矩形波
    • 安価なUPSでよく見受けられる方式
      • オシロスコープで見ると四角な波形で、少々頭の悪い表現をするならばカクカクした波形
    • 精密な波形を必要とする機器(一般家電だと電子レンジや冷蔵庫など)には利用できない
      • この精密な波形を必要とする機器にコンピュータが含まれる*6

早い話が正弦波を出力するUPSを買えば良い・・・のですが、調べていくともう少し複雑怪奇な話になりまして、IO-DATAの「NASに最適なUPSはコレダ!」と言う特集記事でこのようにも書かれています。

4、6ドライブモデル: PFC電源(内蔵電源) → 正弦波タイプが必須
2ドライブモデル:非PFC電源(ACアダプター) → 矩形波タイプも可能

www.iodata.jp

PFC電源がナニモノかと言うのは*7脱線横転に加えて浅はかなメッキ知識がひび割れるので放置しますが、PFC電源か否かで正弦波必須なのか、矩形波でも良いのかが分かれるようです。

今回自宅サーバとして利用しているOptiPlex 7040 MicroはAC電源アダプターを利用しているので、IO-DATAの特集記事の内容を全面的に信用する場合は矩形波モデルで使える可能性が高いです。また、NAS(ASUSTOR AS302-T)もAC電源アダプタータイプなので、同じ理由から矩形波モデルで使える可能性が高いです。
以上のことから、私の環境下では価格面で優位性の高い(+低価格モデルでは豊富なラインナップの)矩形波UPSを利用することができそうです。

電源容量の見積もり

続けて気にする部分として、UPSの電源容量をどうするか。
もちろん(電源容量が)大きければ大きいほど停電が発生しても長時間動かし続けることが可能ですが、電源容量が大きい=お値段も大きく(高く)なります。

よく分からないのならば、UPSのブランドとしては名高いAPSUPS選定ツールと言うものがあり、概ねPC1台100Wと言うどんぶり勘定での見積もりや、具体的な機器の消費電力を計算して最適な製品を適当にピックアップしてくれるWebアプリがあるので、そちらを利用すると良いかと思います。
www.apc.com

このWebアプリの素敵な部分は、見積もった消費電力でこの商品だと概ねどのくらいバッテリーで動作してくれるかを表示してくれます。
そのままAPSUPSを購入しても良いですし、競合他社で似たような電源容量の製品をチェックするのもヨシです。

私の場合は都合2台(OptiPlex 7040 Micro/AS302-T)で、どちらも65W電源、合計消費電力は130Wとなります。*8
この値で候補を出していただくと、BE750M2-JP(450W/750VA)を提案いただき、最小23分・最大使用容量29%と出してくれるので、1分でも長く動かしたい場合はこの製品が良いでしょう。

ただこの製品(BE750M2-JP)は普通に良いお値段(2万円は軽く飛ぶ金額)なので、懐事情的にもう少し現実的な価格帯の製品を探してみるとBE425M-JP(255W/425VA)あたりでしょうか。同条件で最小10分・最大使用容量51%と出てくるので、先ほどよりお値打ち価格に加えてバッテリーだけで10分も動いてくれれば非常時の備えとしては必要十分です。

ES 425 BE425M-JP E

ES 425 BE425M-JP E

  • メディア: エレクトロニクス

但し、廉価版になるとBE750M2-JPで付属しているユーティリティ経由の制御が行えず、更にバッテリー交換不可なので実質的に使い捨てモデルです。(バッテリーが劣化したら新品買ってね?と言うパターンです)

今のタイミングで細かな製品選定を行なってしまうと衝動買いしかねないので*9一旦この程度に抑えておくこととしますが、電源容量は255W前後の製品で私の場合は必要十分と呼べそうです。

但し、OptiPlex 7040 MicroがVMware vSphere Hypervisor(ESXi)を動かしており、停電発生時にはコンソール経由で安全なシャットダウン操作が求められることを考慮するとKVM(キーボード・モニター・マウス)があったほうが良さそうなので、モニターがあった方が良さそうな気がしなくは無いです。
それを考慮すると、実はもっと消費電力が*10多いのでは・・・となったりするので、もう少し電源容量をどするか考える必要はありそうです。

電源制御の有無をどうするか

先に記載した通り、UPS側が対応しているならユーティリティを利用して自動的に電源を落とすことも可能です。
あったら便利な機能ですが、今回私が利用しているのはVMware vSphere Hypervisor(ESXi)とNASです。

このうち、NASについては細かいことを調べる必要はありますが、多くの場合は自動停止は可能でしょう。モデルによってはUSBケーブルを挿すだけでUPSを認識する場合もあるようなので、とりあえず置いときます。

問題はvSphere Hypervisor(ESXi)側でして、どうやら無償版(vSphere Hypervisor)ではUPSからの信号を受けての自動停止機能は非対応との情報がネットの大海に多く存在しています。
理由は製品差別化から無償版で発生する機能制限の一つにUPSからの信号を受けて停止させる機能の一部が機能しないよう設定されている・・・らしいとのことです。
www.apc.com

そのためセオリー通りいくならUPSからの信号を受けて自動停止は活用できず、イレギュラーなカスタマイズを行えば自動停止は出来なくはないらしいのですが*11あまり変にカスタマイズを加えるとトラブル発生時の原因追及が大変なことになるので、vSphere Hypervisorを利用している場合は利用不可の前提でUPSの選定を進めていこうと思います。

UPSベンダーだけは選定しておきたい

細かな製品選定は後回しにするとしても、とりあえずメーカーだけは決めておきたいところです。
そうは言ってもそれほど多くのメーカーがあるわけではないのですが、とりあえず一般のご家庭・SOHO向けにラインナップがあるメーカーを洗い出しておくこととします。

  • APC
    • 有名なところ。企業のサーバ室に行けば「APC」と書かれたデカい箱がサーバラックの下や机の下にあると思われます。*12
    • 有名なだけあり高価な印象がありますが(勝手に高い印象を抱いていますが)、SOHO向けに安価な製品も出してない訳ではない。
  • OMRON
    • 医療機器の印象が強い気がしますが、実はUPS出してます。
    • 少々ハイエンド寄りのSOHO向けがメインなので、お値段は少々高め。
  • CyberPower
    • UPSメーカーとしては比較的新興メーカーで台湾系。
    • Amazonで格安UPSを探すと最初に引っ掛かるメーカーで、珍獣館(Amazonのレビュー欄)を覗き見ると安かろう悪かろうを理解できない残念な輩がドヤ顔で吠えていることが多い。*13

私の場合は価格優先なのでOMRONは自然と候補から外れます。モノは良いんでしょうが、その分費用も張るので今回は予選落ち(!?)です。
そうなると安定(!?)のAPC、新興メーカーでお安いCyberPowerの2択になりますが、はてさてどうしたものか。

IT技術屋でサーバ室で目にする機会の多いAPCのSOHOモデルを選択するのも一つの手ですし、2021年の想定年間浪費予算が2021年4月の時点で真っ赤*14なので1円でも安く済ませる必要があるのでCyberPowerの安価なモデルを選択するのが現実的な気もします。

停電で泣きを見てから買うか、賢く事前に買うか

如何せんセルフ縛りの予算都合により今すぐこの瞬間にAmazon.co.jpでポチることは出来ませんが、なるべく早い段階で購入しておきたいところです。

正直PCやスマホを衝動買いするよりは遥かに安い買い物ですが、UPSを買ったのなら定期的に内蔵されているバッテリーを交換して行く必要があるので停電などの対策にしては結構な維持費が発生します。
また、今回狙っている安価なモデルは下手をするとバッテリー交換不可のモデルもあるので下手をすると定期的にUPS自体の買い替えが必要になるので、もう少ししっかりと健闘してから調達したいところです。

幸い現在の住居のブレーカーは1Kなのに30A契約で、独り暮らしとしては大きいことからエアコン使いつつ電子レンジを使っても電源がぶった切れることはありません。
電気の使い過ぎで(ブレーカーが落ちて)停電になることはありませんが、これから夏に向かっていく季節なので落雷で局所的に停電することはあるかも知れません。・・・ここ数年(少なくとも今の住居で落雷起因の)停電は発生していませんが、今のうちに適当なUPSを購入するか、悪い意味で腹を括って停電なんて発生しない!・・・と思い込んで停電して、サーバとNASのデータを失って泣きながらUPSを買うか腹を決めたいところです。*15

*1:大きく分けると、「本来サーバ用途の部品で構成されていないので故障し易い」「バッテリーの故障・破損からの発火事故に繋がる」「サーバが本来兼ね備えている保守機能が存在しないため、勉強にすらならない」辺りでしょうか。バッテリー周りは保管状況や利用状況次第が大きいとは言え、ノートPCを一時的だろうがサーバとして使う場合は最低限外見チェックは行いましょう。バッテリーがパンパンに膨らんでるようならば即座に利用を中止してそのバッテリーを破棄するようにしましょう。

*2:NAS自体はRAID1構成です・・・が、RAIDと言うヤツはディスク障害に対しては耐性があるものの、停電に関しては耐性なんて存在しません。あくまでディスク故障に対する耐性だけです・・・。

*3:案外必要なスキル、私自身口下手なのでみんな「知ってるよ!」と言うことも、なるべく自分の言葉で説明出来るよう精進していきたいところです・・・。

*4:業務用のうち大規模なものだとサーバ室一部屋全部丸ごと対象とするようなものもありますが、イメージとしては電源タップにバッテリーを搭載したものって感じが分かりやすいかと思います。

*5:コンピュータ系の学部出身なので一応この辺りも軽く触れてるはずだけど、記憶に残ってないなぁ・・・。

*6:調べる限り、精密な波形を必要とする機器を矩形波UPSに接続すると正しく動作しないか、UPSまたは接続した機器が壊れます。

*7:効率的に電力を利用するための回路で、EU諸国だと搭載義務あり、その都合からか近年のATX電源には標準搭載されているらしい・・・とのこと。

*8:ピーク時なので、通常時はもう少し低い消費電力になると思いますが、製品選定なので最大消費電力ベースで見積もってます。

*9:むしろ現在進行形でサーバとして2台ほど機器が蠢いている状況下を鑑みると、今この瞬間にでも衝動買い「するべき」製品のような気はしますが・・・。

*10:最悪は酔った勢いで買って放置されてるモバイルモニターをOptiPlex 7040 MicroのUSB給電で使えば良いかも。

*11:かなり深い部分に手を加えると実現出来なくはない・・・らしい。

*12:何やら買収されて、現在はブランド扱いになっているようですね。

*13:安かろう悪かろうが理解出来てない輩も居ますが、自分自身の力で必要最低限の調査が行えない輩と言うべきでしょうか。

*14:どうしてこうなった・・・、どうしてこうなった!

*15:大正解は今この瞬間にセルフ縛りを気にせず、割高になろうと正弦波でUSB経由で信号を受信して自動シャットダウン対応のUPSを買うことだって分かってはいるんですけどね・・・。