Re:シルの日々の戯言。

散財が生き甲斐になりかけている、デジタルガジェット大好き自称黄色いネズミの戯言。

今更だけどUPSの導入を考えることにした

現在の自宅サーバ環境は小型デスクトップPCを流用した俗に言うPCサーバと言うヤツです。
sylve.hatenablog.jp

そのため、万が一停電が発生してしまうと問答無用に電源が落ちてしまいます。・・・この人、パソコン馬鹿なのになにを至極真っ当な当たり前のことを・・・と思われるでしょうが、その当たり前のことを戯言日記に明記している理由として、直前までノートPC(モバイルワークステーション)を流用した俗に言うノートPCサーバを使っていたので、停電が発生したとしてもノートPCに内蔵されているバッテリーがUPS(無停電電源装置)替わりとなり、一時凌ぎが出来ていたからです。・・・シレッとノートPCサーバと口走りましたが、ノートPCをサーバとして使うな警察に手配される危険な行為なので、皆々様はリスクや危険性を把握した上で*1公言せずコッソリ行うようにしてください。
sylve.hatenablog.jp

閑話休題、現状のままだと停電発生時は当然ですが、稀に発生する可能性がある電圧降下などの瞬電(一瞬だけ停電するようなヤツ)にも耐えられず、毎回電源が落ちることとなるので、サーバとして使うには都合が悪いです。
更に、都合の悪い事実を見て見ぬふりをしてきましたが、(主に仮想マシンを動かす環境としての)自宅サーバを利用する前からNAS(ファイルサーバ)を利用していますが、このNASも停電する=電源が落ちる状況です。パソコンオタクでパソコン馬鹿を自称しておきながら停電トラブルに大変なまでに脆弱な環境を今のこの瞬間も放置している状況です。*2

これは・・・UPS買うか・・・。

UPSとはなにものか

多くの(デジタルガジェットに精通されている)諸兄・諸姉の方々には説明不要の基礎用語とは思いますが、自分自身が人様へご説明する場合の練習を兼ねて*3説明しよう!(CV.富山敬氏)

冒頭でちらっと「無停電電源装置」と日本語を綴っているのでお察しのとおり、停電時にも電源を供給し続けるための装置ですが、乱暴に表現するなら電源タップ(ACタップ)にバッテリーを搭載したものです。*4
バッテリーを搭載しているので、数時間動いてくれそうな印象を抱く人もいるかも知れませんが、UPS(無停電電源装置)はコンピュータを安全に停止させるだけの時間を確保することを目的としていることが多いので、基本的には停電発生=なる早でシャットダウンを行う必要があります。・・・とは言え、常時コンピュータの前に居られる訳では無いので、UPSとサーバ・パソコンをUSBケーブルなどで接続して、専用ユーティリティを利用してUPSのバッテリー残量が少なくなった場合は自動的にシャットダウンさせる仕組みを利用したりすることが多いです。

バッテリーを搭載しているので停電復旧まで生き残れそうな印象があるかも知れませんが、多くの場合は安全にサーバやパソコンの電源を落とすための猶予時間を確保することが目的とされています。製品によってはUSBケーブルなどでサーバ・パソコンと接続させユーティリティをインストールしておくことで自動的に電源を落とす仕組みが整っている場合もあります。

UPSによっては、不意の電圧降下や瞬電にも対応できる場合があります・・・が、今回私が手を出そうとするような低価格品の商品にはそのような機能は備わっていないので、とりあえずこの戯言日記的には「停電しても大丈夫なバッテリー付き電源タップ」くらいの認識でOKです。

UPSを選定する上で最低限考慮する部分

UPSの選定を行う上でどうしても避けられない部分として、正弦波・矩形波と呼ばれる摩訶不思議な言葉があります。

バッテリー駆動時の電源出力波形のことだが、これについて詳しいことを綴ろうとすると電気工学の話に発展するので*5端的に綴ると・・・

  • 正弦波
    • 商用電源(コンセント)から共通されるのと同じ方式
      • オシロスコープ(測定装置)で見ない限り分からないが、滑らかな曲線状の波形
    • コンピュータで利用するのに最適な方式だが、回路基盤が複雑になり割高
  • 矩形波
    • 安価なUPSでよく見受けられる方式
      • オシロスコープで見ると四角な波形で、少々頭の悪い表現をするならばカクカクした波形
    • 精密な波形を必要とする機器(一般家電だと電子レンジや冷蔵庫など)には利用できない
      • この精密な波形を必要とする機器にコンピュータが含まれる*6

早い話が正弦波を出力するUPSを買えば良い・・・のですが、調べていくともう少し複雑怪奇な話になりまして、IO-DATAの「NASに最適なUPSはコレダ!」と言う特集記事でこのようにも書かれています。

4、6ドライブモデル: PFC電源(内蔵電源) → 正弦波タイプが必須
2ドライブモデル:非PFC電源(ACアダプター) → 矩形波タイプも可能

www.iodata.jp

PFC電源がナニモノかと言うのは*7脱線横転に加えて浅はかなメッキ知識がひび割れるので放置しますが、PFC電源か否かで正弦波必須なのか、矩形波でも良いのかが分かれるようです。

今回自宅サーバとして利用しているOptiPlex 7040 MicroはAC電源アダプターを利用しているので、IO-DATAの特集記事の内容を全面的に信用する場合は矩形波モデルで使える可能性が高いです。また、NAS(ASUSTOR AS302-T)もAC電源アダプタータイプなので、同じ理由から矩形波モデルで使える可能性が高いです。
以上のことから、私の環境下では価格面で優位性の高い(+低価格モデルでは豊富なラインナップの)矩形波UPSを利用することができそうです。

電源容量の見積もり

続けて気にする部分として、UPSの電源容量をどうするか。
もちろん(電源容量が)大きければ大きいほど停電が発生しても長時間動かし続けることが可能ですが、電源容量が大きい=お値段も大きく(高く)なります。

よく分からないのならば、UPSのブランドとしては名高いAPSUPS選定ツールと言うものがあり、概ねPC1台100Wと言うどんぶり勘定での見積もりや、具体的な機器の消費電力を計算して最適な製品を適当にピックアップしてくれるWebアプリがあるので、そちらを利用すると良いかと思います。
www.apc.com

このWebアプリの素敵な部分は、見積もった消費電力でこの商品だと概ねどのくらいバッテリーで動作してくれるかを表示してくれます。
そのままAPSUPSを購入しても良いですし、競合他社で似たような電源容量の製品をチェックするのもヨシです。

私の場合は都合2台(OptiPlex 7040 Micro/AS302-T)で、どちらも65W電源、合計消費電力は130Wとなります。*8
この値で候補を出していただくと、BE750M2-JP(450W/750VA)を提案いただき、最小23分・最大使用容量29%と出してくれるので、1分でも長く動かしたい場合はこの製品が良いでしょう。

ただこの製品(BE750M2-JP)は普通に良いお値段(2万円は軽く飛ぶ金額)なので、懐事情的にもう少し現実的な価格帯の製品を探してみるとBE425M-JP(255W/425VA)あたりでしょうか。同条件で最小10分・最大使用容量51%と出てくるので、先ほどよりお値打ち価格に加えてバッテリーだけで10分も動いてくれれば非常時の備えとしては必要十分です。

ES 425 BE425M-JP E

ES 425 BE425M-JP E

  • メディア: エレクトロニクス

但し、廉価版になるとBE750M2-JPで付属しているユーティリティ経由の制御が行えず、更にバッテリー交換不可なので実質的に使い捨てモデルです。(バッテリーが劣化したら新品買ってね?と言うパターンです)

今のタイミングで細かな製品選定を行なってしまうと衝動買いしかねないので*9一旦この程度に抑えておくこととしますが、電源容量は255W前後の製品で私の場合は必要十分と呼べそうです。

但し、OptiPlex 7040 MicroがVMware vSphere Hypervisor(ESXi)を動かしており、停電発生時にはコンソール経由で安全なシャットダウン操作が求められることを考慮するとKVM(キーボード・モニター・マウス)があったほうが良さそうなので、モニターがあった方が良さそうな気がしなくは無いです。
それを考慮すると、実はもっと消費電力が*10多いのでは・・・となったりするので、もう少し電源容量をどするか考える必要はありそうです。

電源制御の有無をどうするか

先に記載した通り、UPS側が対応しているならユーティリティを利用して自動的に電源を落とすことも可能です。
あったら便利な機能ですが、今回私が利用しているのはVMware vSphere Hypervisor(ESXi)とNASです。

このうち、NASについては細かいことを調べる必要はありますが、多くの場合は自動停止は可能でしょう。モデルによってはUSBケーブルを挿すだけでUPSを認識する場合もあるようなので、とりあえず置いときます。

問題はvSphere Hypervisor(ESXi)側でして、どうやら無償版(vSphere Hypervisor)ではUPSからの信号を受けての自動停止機能は非対応との情報がネットの大海に多く存在しています。
理由は製品差別化から無償版で発生する機能制限の一つにUPSからの信号を受けて停止させる機能の一部が機能しないよう設定されている・・・らしいとのことです。
www.apc.com

そのためセオリー通りいくならUPSからの信号を受けて自動停止は活用できず、イレギュラーなカスタマイズを行えば自動停止は出来なくはないらしいのですが*11あまり変にカスタマイズを加えるとトラブル発生時の原因追及が大変なことになるので、vSphere Hypervisorを利用している場合は利用不可の前提でUPSの選定を進めていこうと思います。

UPSベンダーだけは選定しておきたい

細かな製品選定は後回しにするとしても、とりあえずメーカーだけは決めておきたいところです。
そうは言ってもそれほど多くのメーカーがあるわけではないのですが、とりあえず一般のご家庭・SOHO向けにラインナップがあるメーカーを洗い出しておくこととします。

  • APC
    • 有名なところ。企業のサーバ室に行けば「APC」と書かれたデカい箱がサーバラックの下や机の下にあると思われます。*12
    • 有名なだけあり高価な印象がありますが(勝手に高い印象を抱いていますが)、SOHO向けに安価な製品も出してない訳ではない。
  • OMRON
    • 医療機器の印象が強い気がしますが、実はUPS出してます。
    • 少々ハイエンド寄りのSOHO向けがメインなので、お値段は少々高め。
  • CyberPower
    • UPSメーカーとしては比較的新興メーカーで台湾系。
    • Amazonで格安UPSを探すと最初に引っ掛かるメーカーで、珍獣館(Amazonのレビュー欄)を覗き見ると安かろう悪かろうを理解できない残念な輩がドヤ顔で吠えていることが多い。*13

私の場合は価格優先なのでOMRONは自然と候補から外れます。モノは良いんでしょうが、その分費用も張るので今回は予選落ち(!?)です。
そうなると安定(!?)のAPC、新興メーカーでお安いCyberPowerの2択になりますが、はてさてどうしたものか。

IT技術屋でサーバ室で目にする機会の多いAPCのSOHOモデルを選択するのも一つの手ですし、2021年の想定年間浪費予算が2021年4月の時点で真っ赤*14なので1円でも安く済ませる必要があるのでCyberPowerの安価なモデルを選択するのが現実的な気もします。

停電で泣きを見てから買うか、賢く事前に買うか

如何せんセルフ縛りの予算都合により今すぐこの瞬間にAmazon.co.jpでポチることは出来ませんが、なるべく早い段階で購入しておきたいところです。

正直PCやスマホを衝動買いするよりは遥かに安い買い物ですが、UPSを買ったのなら定期的に内蔵されているバッテリーを交換して行く必要があるので停電などの対策にしては結構な維持費が発生します。
また、今回狙っている安価なモデルは下手をするとバッテリー交換不可のモデルもあるので下手をすると定期的にUPS自体の買い替えが必要になるので、もう少ししっかりと健闘してから調達したいところです。

幸い現在の住居のブレーカーは1Kなのに30A契約で、独り暮らしとしては大きいことからエアコン使いつつ電子レンジを使っても電源がぶった切れることはありません。
電気の使い過ぎで(ブレーカーが落ちて)停電になることはありませんが、これから夏に向かっていく季節なので落雷で局所的に停電することはあるかも知れません。・・・ここ数年(少なくとも今の住居で落雷起因の)停電は発生していませんが、今のうちに適当なUPSを購入するか、悪い意味で腹を括って停電なんて発生しない!・・・と思い込んで停電して、サーバとNASのデータを失って泣きながらUPSを買うか腹を決めたいところです。*15

*1:大きく分けると、「本来サーバ用途の部品で構成されていないので故障し易い」「バッテリーの故障・破損からの発火事故に繋がる」「サーバが本来兼ね備えている保守機能が存在しないため、勉強にすらならない」辺りでしょうか。バッテリー周りは保管状況や利用状況次第が大きいとは言え、ノートPCを一時的だろうがサーバとして使う場合は最低限外見チェックは行いましょう。バッテリーがパンパンに膨らんでるようならば即座に利用を中止してそのバッテリーを破棄するようにしましょう。

*2:NAS自体はRAID1構成です・・・が、RAIDと言うヤツはディスク障害に対しては耐性があるものの、停電に関しては耐性なんて存在しません。あくまでディスク故障に対する耐性だけです・・・。

*3:案外必要なスキル、私自身口下手なのでみんな「知ってるよ!」と言うことも、なるべく自分の言葉で説明出来るよう精進していきたいところです・・・。

*4:業務用のうち大規模なものだとサーバ室一部屋全部丸ごと対象とするようなものもありますが、イメージとしては電源タップにバッテリーを搭載したものって感じが分かりやすいかと思います。

*5:コンピュータ系の学部出身なので一応この辺りも軽く触れてるはずだけど、記憶に残ってないなぁ・・・。

*6:調べる限り、精密な波形を必要とする機器を矩形波UPSに接続すると正しく動作しないか、UPSまたは接続した機器が壊れます。

*7:効率的に電力を利用するための回路で、EU諸国だと搭載義務あり、その都合からか近年のATX電源には標準搭載されているらしい・・・とのこと。

*8:ピーク時なので、通常時はもう少し低い消費電力になると思いますが、製品選定なので最大消費電力ベースで見積もってます。

*9:むしろ現在進行形でサーバとして2台ほど機器が蠢いている状況下を鑑みると、今この瞬間にでも衝動買い「するべき」製品のような気はしますが・・・。

*10:最悪は酔った勢いで買って放置されてるモバイルモニターをOptiPlex 7040 MicroのUSB給電で使えば良いかも。

*11:かなり深い部分に手を加えると実現出来なくはない・・・らしい。

*12:何やら買収されて、現在はブランド扱いになっているようですね。

*13:安かろう悪かろうが理解出来てない輩も居ますが、自分自身の力で必要最低限の調査が行えない輩と言うべきでしょうか。

*14:どうしてこうなった・・・、どうしてこうなった!

*15:大正解は今この瞬間にセルフ縛りを気にせず、割高になろうと正弦波でUSB経由で信号を受信して自動シャットダウン対応のUPSを買うことだって分かってはいるんですけどね・・・。