・・・若干カテゴリーの分類が怪しいが、割り振るとしたらこっち(自宅サーバ)扱いだよな・・・。
欲望に負けまして、先日ヨドバシカメラの格安SIM(とSIMフリールーター)を買ってきました。
sylve.hatenablog.jp
あくまでこれはMacBookやVenue 10 Pro、あとiPad Airを持ち出す際に利用するSIMなので、通常時はSIMをセットしたモバイルルーター共々自宅警備となる・・・予定でしたが、折角速度が3Mbpsで抑えられるとは言え使いたい放題のSIMなので何とか有効利用をしたいと(購入する前から)考えました。
一方、諸事情で余らせてる型落ち品と言えどYAMAHA業務用ルーターのRTX1100も有効利用したい。ついで言うと糞OCNが契約不履行で光回線導入失敗したので当面常時規制速度のWiMAX2+回線を使い続ける羽目になったので速度を改善したい。*1
そして閃く。マルチホーミングで負荷分散させれば良いんだと。
マルチホーミングとは?
乱暴に言うと負荷分散機能の名称です。*2
複数のインターネット回線を同時に接続することで回線速度に応じてパケットを振り分けて効率的に回線を利用することが出来ます。
また複数のネット回線を利用しているので、何らかの要因で一つの回線が(落ちて)接続不能に陥ったとしても残りの回線でインターネット接続を継続することが出来ます。
一般家庭では不要な機能ですし、パソコンオタクの自宅にも不要な機能*3ですが、持て余すモバイルルーターを有効利用するには丁度いい機能ですし、手持ちの(契約不履行で光回線導入出来ず持て余してる)機器で出来るならやってみたくなっちゃった訳です。
ネットワーク構成について
あまり事細かに記載するのは面倒なので簡単なネットワーク図を描くとこんな感じ。
[Internet] | | (WiMAX2+) (WirelessGate) | | [NAD11] [RM03LN] | | (LAN2)| |(LAN3) +---------+ | RTX1100 | +---------+ |(LAN1) | [GS908L V2]---各種機器
RTX1100を基本に各機器が接続されています。
LAN1はギガビット対応ハブ(GS908L V2)*4に接続。以降GS908L V2経由でiMacさんやらレコーダーやら色々と繋がってます。
LAN2/LAN3はWANポートとしてNAD11/MR03LNに接続されています。両方ともポータブルWi-Fiルーターですが、どちらも専用クレードル経由でイーサネットに変換してRTX1100に接続しています。*5
configについて
設定方法はいくつかありましたが・・・、・・・大半がPPPoE回線を2回線と言う事例が多く、2回線ともイーサネット回線を用いるパターンはほぼ見受けられない(´・ω・`)
しかし、先人がRTX1000で実験した際のconfigを公開されてたので、参考にしつつ書いてみました。
以下のコマンドは基本的に管理者アカウント(Administrator)で叩きます。
あ、私はシリアルコンソール経由で叩いてるのであしからず。*6
設定前の初期化
とりあえず、既存の設定がある方は初期化しましょ。
cold start
LAN1(内部ネットワーク側)の設定
最初に内部ネットワーク側の設定を実施して行きます。
ip lan1 address 192.168.1.1/24
dhcp service server
dhcp scope 1 192.168.1.2-192.168.1.50/24
今回は自宅内ネットワークなのでクラスCの没個性的なアドレス帯域を付与。この辺はお好みに合わせて。
あとDHCPは我が家では必須機能、軟弱者だから仕方無いね。*7
LAN2(主回線NAD11側)の設定
続いて今まで利用してきた主回線NAD11側の設定。
実際にはモバイルルーター側の設定次第で変わりますが、デフォルト設定を想定しています。と言うか、私はWi-Fi周りを除きほぼデフォルトの設定で使ってます。
ちなみに、凝った設定をしてなければYAMAHAサイトのCATV経由のネット接続事例が参考になります。
ip lan2 address dhcp
ip lan2 nat descriptor 1
あら簡単。他にも設定事項があるけれど、あとで纏めて設定するのでこの2行を叩き込みます。
LAN3(副回線MR03LN側)の設定
続いて今回調達した副回線のMR03LN側の設定。
基本的にはLAN2と同じです。
ip lan3 address dhcp
ip lan3 nat descriptor 2
注意事項は2行目。NAD11側で「descriptor 1」と指定しているので、MR03LN側は「descriptor 2」を指定します。
NATの設定
割とハマったポイント第1弾です。
いや、コマンドの意味を理解せず、人様のconfigを適当に参考にした結果なので自業自得なんですけれどもorz*8
nat descriptor type 1 masquerade
nat descriptor address outer 1 primary
nat descriptor address inner 1 auto
nat descriptor masquerade incoming 1 discardnat descriptor type 2 masquerade
nat descriptor address outer 2 primary
nat descriptor address inner 2 auto
nat descriptor masquerade incoming 2 discard
各コマンドの意味は、面倒なのでぐぐる方向でお願いしたいのですが、ザックリと言うならIPアドレスの変換定義を指定しています。
なお、ここで「1」や「2」と指定しているのは先程(LAN2/LAN3の設定箇所にある)「descriptor」で指定した番号と連動します。
DNS周りの設定
ハマったポイント第2弾、これが他のユーザーさんの事例を参考に、主回線が落ちた時は副回線、副回線が落ちた時は主回線のDNSを参照するように設定したかった・・・が、どうにもイーサネット2回線の場合では上手く行かず(´・ω・`)
已む無く妥協して以下の設定にしたが・・・、・・・これで良いのかは未だに分からない(´・ω・`)
dns service recursive
dns server select 1 dhcp lan2 any .
dns server select 2 dhcp lan3 any .
これで問題無く動いたので良いや。
gateway周りの設定
最後の設定、そしてマルチホーミングの設定の部分でもあります。
ip route default gateway dhcp lan2 weight 4 hide gateway dhcp lan3 weight 1 hide
同じようなコマンドを繰り返していますが、注意する点は「weight」の後ろに記載した数字。どの回線にどのくらいの割合で通信させるかの割合を指定します。
私の場合はNAD11(WiMAX2+)側に8割、MR03LN(ヨドバシSIM)側に2割流すようにしています。MR03LNへの割合が低いのは(いくら3Mbps使いたい放題と言えど)MVNO回線に負荷を与えない為。・・・いえ、WiMAX2+の回線利用状況的にはヘビーユーザー扱いにされるような使い方*9をしてる時点で「回線負荷をー」とか言える口では無いのですが・・・。
どうやって動作確認するの?
一応、これで負荷分散されてる・・・はず。
一番分かり易い確認方法は、診断くんなどでリモートホストを確認出来るサイトに何度かアクセスすると、リモートホストが変わることが確認出来るかと思います。
割とガッツリREMOTE_HOST欄をモザイク処理で隠してるので分かり難いのですが*10、片方がjpドメイン、もう片方がnetドメインとなっています。*11
YAMAHAルーターで定番のフィルター設定が無い件について
本来であればポートの制限やら何やら面倒臭い設定を実施する必要があるのですが、上記に掲載したAA図の通りルーターの下にルーターを噛ませると言う少々頭の悪い構成なので、上位のルーター(モバイルルーター)側で対処されてる・・・はずなので、下流ルーターのRTX1100ではナニも考えていません。
・・・べ・・・別に技術力不足とか、設定忘れてたとかじゃ無いんだからねっ!!!11*12
この構成で効果あるのか?
(常時規制が掛かってるのでWiMAX2+は常時)低速回線と(上限3Mbps頭打ちの)低速回線を束ねているので、大して速度改善はされてないような雰囲気・・・。無線LANのAPを自宅内APに切り替えて通信速度を測定しても微妙に早くなったような気がする程度です。*13
これは副系統のMR03LN側の比重が低く設定されている為だと思います。・・・モノは試しに比率1:1でやってみても良いのですが・・・、そこまでガッツリと使い込むと冗談抜きで多大なご迷惑になると申しますか、MVNO回線的をこの構成に組むのは想定外の使い方になると思われるので自重しろと言うか・・・。*14
むしろ、この構成(マルチホーミング環境)だと一部FTP通信が上手く行かなかったり問題も起こるらしいので*15、今後どんな問題が発生するのかが心配だったりします・・・。
*1:単に3日間で3GB以上のデータ通信をしなければ済む問題ですが・・・固定回線替わりに!を謳い文句にしてたにも関わらず固定回線として使うな!と言わんばかりの規制っぷり・・・
*2:キャリアアグリゲーション的な事出来ないかなぁー・・・と調べてたら、思っていたこととは少々異なりますが希望に近い事ができると判明し、小喜びですよ。
*3:つーか、どれだけ必死こいてネット接続したいんだよwww・・・と草を生やされる懸案ですよ。
*4:ちなみにジャンク品。過去記事漁れば購入時の戯言があるかも。
*5:あとはそれぞれの回線を経由してインターネットに接続しています。
*6:RTX1100の場合、初期設定する場合はどうしてもシリアルコンソールケーブルが必須なのです・・・
*7:私は面倒だからDHCPで適当に割り振ってくれればそれで良いです。
*8:しかし失敗を重ねることで人は賢くなっていく・・・
*9:固定回線代替を謳い売りつけた・・・と言うか、据え置き型WiMAX2+ルーター販売してる分際で3日間3GBのスマホレベルの通信規制してるとか、馬鹿かとアホかと・・・。
*10:一応IPアドレスとかも書かれてたりするのでガッツリモザイク処理掛けてます。
*11:ルーター側のログを漁る方法もありますが、手軽にチェック出来るので私は診断くんでチェックしました。
*12:この手の構成の場合、フィルターはどうするのかはまだ調べてません。とりあえず「こうすれば出来る!」と言う段階だったりします;
*13:5Mbpsだったのが6Mbpsくらいになった程度です。
*14:ヨドバシと言うかWireless Gateの中の人的に「精々スマホでYouTube見まくるのが関の山だろう」と思われてるであろう状況で、まさか業務用ルーターに繋げてマルチホーミング構成の副系統として使うと言うのは、一般常識的にありえない構成だろ・・・
*15:YAMAHAサイトの掲載情報によると、FTPのパッシブモードが正常に動かないと書かれていましたし、マルチホーミング環境に切り替えた直後にMicrosoftアカウントのセキュリティ機能に引っ掛かって「不正ログイン!やべぇ!!!11」とアラートメールが届いたり・・・。