1ヶ月程度前に実家向けと称してSynology DS120jを購入しました。
sylve.hatenablog.jp
購入後に(実家で利用する上で)運用する上での構成検討やら、(運用中のDS218Playへフィードバックする前提での)各種機能評価を行い、戯言日記のネタにしようとSimplenoteに草稿として記録を残していました。
・・・多分、あとで見直そうと思って草稿状態を示すタグを付けておいたんでしょうね。前回草稿を綴ってから約1ヶ月経った最近になってこの戯言の草稿を発掘したので、供養ついでに仕上げて公開することとします・・・。*1
ちなみに、既に構成検討・機能評価を終えてDS120jは箱詰めし、いつ緊急事態宣言が解除されても良いように搬送準備は整えております。・・・いや、緊急事態宣言解除=コロナ禍の我慢の生活終了ではありませんけど・・・。
検証はDSM7.0ベータでやりました
Synology製のNASではDSM(DiskStation Manager)と呼ばれるNAS用OSを利用しています。
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この戯言日記が草稿で埋もれている間に正式版が登場しましたが、草稿を書いていたタイミングではまだベータ版扱いだったDSM7.0を利用しています。
一番の理由としてはDSM7.0から利用可能となる新しい写真管理ツールのSynology Photosを試してみたかったの一言です。
従来は複数の写真管理ツールが存在していましたが、DSM7.0で統合化されるとのことなので今後(Synology NASを使う上では)主流となるSynology Photosを試用して実家向けに使い物になるものかを評価したかったためです。
また、将来的には現在利用しているDS218PlayもDSM7.0にアップデートされることになるので、DSM7.0がどのようなものかを知っておきたかったと言う部分もあります。
Synology Photosはスマホの写真管理としては優秀
DS120jを実家用に導入する一番の目的であるSynology Photosについて、軽く触れてみた感想としては「思ったよりも優秀」です。
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スマートフォンから専用のクライアントアプリを利用する必要がありますが、アプリの設定を一度済ませてしまえば基本的に放置でOKです。
設定を済ませていればアプリを起動させるだけで同期が行われるので、毎回明示的にアップロードを行う操作が不要なのは親に使わせる観点では素晴らしい限りです。
タブレット・スマートフォンそれぞれで新規に撮影された写真がアップロードされるので、タブレットとスマートフォンを使い分けて利用している場合も安心です。
以前はiCloudでiPhoneとiPad間で写真を同期*2させていたので、Synology Photosは少し手間が増えてしまいますが、現在はAndroidスマートフォン(らくらくスマートフォン)とiPadの組み合わせでAndroidスマホで撮影した写真を大画面のiPadで閲覧出来ないと言う問題は解消できそうです。
但しデジカメの写真管理としては(操作面で)厳しい
スマホ周りの写真管理は手放しで絶賛してしまいますが、それではデジカメ写真の管理にはどうかと問われると・・・、・・・正直厳しいところがあります。
スマホ以外に普通のデジタルカメラも所有して写真を楽しんでいるので、せっかくの写真管理ツールだからデジカメ写真も・・・と思ったのですが、デジカメ写真に関してはPCでの操作が必要そうなので、私の実家環境では写真の取り込み自体が難しい操作となります。
・・・いや、普通にPCが使える一般的なユーザーなら何も問題にならない部分なのでSynology Photos自体の問題ではありません。ただ、利用想定ユーザーがiPadならなんとか扱えると言う機械音痴の母親なので、PCでSDカードを読み込んでエクスプローラからファイル全部選んでNASの所定フォルダにドラッグ・アンド・ドロップで送り込む・・・と言うのはエベレスト登頂に匹敵する難易度です。*3
それならば自動化でなんとかならないか・・・と思い調べると、パッケージセンターからUSB Copyと呼ばれるアプリを使うことで実現できそう・・・ですが、試す限り上手く行かず。
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SDカードリーダーをDS120jに接続することで、SDカードを差し込んだら読み取りする・・・と言うタスクを設定出来るのですが、SDカードをアンマウントするタイミングでUSBカードリーダー自体がアンマウントされ、再接続してもUSB Copyで設定したタスクからSDカードリーダーを認識して貰えず・・・。
試していたのがDSM7.0ベータのタイミングだからなのか、はたまたUSB Copyのカードリーダー周りはNASにSDカードリーダーが内蔵されている機種向けの機能なのか、原因は分かりませんが意図した挙動とならず。
ならば今回iPadもリプレース対象で、引き渡す予定がiPad Pro 11-inch/2018でUSB-Cモデルだから市販の(USB-C接続の)SDカードリーダーで一度iPad Proに取り込ませれば・・・と思ったりも*4しましたが、複雑怪奇な手順の提示となり混乱を招くだけだと思うので、実家環境ではSynology Photosでデジカメ写真の管理は諦めることとします。
セキュリティ アドバイザーが小姑並みにウルサイ
実家向けと言うことで、出来る限りDSMのパスワード規約を緩めて利用したいと思っています。
DS218Playを導入したときに分かっていましたが、DSMでは通常パスワードルールとして英字大文字・小文字・数字の3種類が必須です。・・・まぁ自宅内パスワードルールに合わせて英字大文字は必須から外してますが・・・。
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そんな訳で思い切り割り切ってパスワードなしユーザーを設定してみました・・・が、「セキュリティ アドバイザー」のパスワードルールに引っかかり常時警告が出る状態となってしまいました・・・。
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この「セキュリティ アドバイザー」と言うヤツはキッチリと見ているようで、パスワードなしと言うのは言語道断なのはわかるのですが、検証用にSSH接続を可能にしたところ「SSHポートがデフォルト値から変わってないのでアンセキュアです!」とお叱りを受ける始末・・・。
実践導入前なので構わないのですが、ちゃんと見てるんだなぁ・・・と思いつつ、チョットこれは面倒臭いなぁ・・・と思った次第です。今のところ緩めて怒られるとしたらパスワード周りだけの予定ですが、実際に運用を進めて行くとアレコレと指摘が入りそうなので通常利用する上では不備箇所を指摘してくれるので便利ですが、今回の想定環境では少々目障りな機能になりそうです・・・。*5
バックアップ周りの設定
実家側へDS120jを投入するに辺り、バックアップ設定は必須となります。
・・・いえ現在運用中のDS218Playもバックアップ設定は必須*6ですが、遠隔地でRAID組んで耐障害性も無いDS120jは特に重要な設定と言えます。
調べるとHyper Backupと呼ばれるソフトウェアがパッケージセンターから導入可能なので、Hyper Backupを利用することとしました。
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このHyper Backupと言うツールはNASに接続したUSB接続の外付けHDDは当然ですが、他のSynology NAS・rsyncを利用した他社製NAS・Synology専用クラウドストレージやGoogleドライブ・Dropboxなどの一般的なクラウドストレージにもバックアップが出来るなかなか素敵なツールです。・・・一般のご家庭に導入する場合はUSB接続の外付けHDDにバックアップが関の山でしょうけど・・・。
Hyper Backupは基本は増分バックアップ・ローテーションで古いバックアップから自動的に削除する設定が可能なので、適当に設定したとしてもそれなりに良い感じに処理してくれる素敵なツールです。*7
本来ならばNASに居れている2TBよりも大きなストレージをバックアップ用ストレージとしたいところですが、暫定運用ということもあり500GBのストレージで運用して、まぁ設定さえ済ませてしまえば面倒毎を意識せずに済みそうだね・・・と言ったところです。
ちなみに、DS120jのHyper Backupを試すためにディスクを漁るとTS抜きチューナー用に確保して利用していた2TBの2.5型HDDが出てきたので、DS218Play用に使うことにしました。流石に全領域のバックアップは無理なので写真データと保存が必須となりそうなデータに限定していますが、バックアップがあると言うだけで謎の安心感が得られますね。*8
なるほどなるほど、完全に理解した!(分かってない)
半月ほど触れて、ある程度DS218Playへのフィードバックも行ったのでせっせと箱詰めして持ち込み準備OKとしました。
SSH経由で触ったり、タスクスケジューラーの起動順序を考えてみたり検討しておくべきことは他にもありますし、実際にあれこれと触ったりしましたが少なくとも運用中に触れられないようなことでやりたかったことはこの戯言日記に綴っていない部分で済ませたので、余計な稼働時間を増やすことをせずいつでも持ち出せるように準備を進めました。
・・・まぁ、結局コロナ禍で帰省云々どころの話ではなくなり、どんなに早くても(緊急事態宣言が明ける・・・とは思えませんが2021年8月中旬時点では緊急事態宣言が明けるであろう)9月以降*9となるのでまだまだ弄んでても良いと思いますが・・・。
1点だけ気になる部分があり、VPN接続の挙動で自動再接続を有効にしてもVPNサーバー側*10から切断された場合は再接続を試みないと言う挙動があるので、遠隔管理する場合にどうするのかを少し考えなければならないような気がします。
自動再接続機能があるので(実家側に設置した後で)常時VPNを張っておけば東京自宅環境からはLAN内の1端末として見えるから多少ラク・・・と思いましたが、そう上手くは行かないようなのでDSMでVPNサーバー機能(OpenVPN)を有効化する必要がありそうです。
また、なんだかんだでウィルス対策周りも考えておく必要があるのでRAM 512MB機種だからパフォーマンスに影響を与えそうですがAntivirus Essentialも仕込んでおきたいところです。一応試用している時にはAntivirus Essentialを仕込んでいましたが、絶対的に格納されているファイル数が少ないことから検証になったのかなってないのかよく分からない有様です。*11
なんだかんだでまだまだ色々と気になる部分はありますが、設定有効化されていなかったセキュリティアドバイザーやらS.M.A.R.Tやらメール通知*12やらはDS218Playに有効化・設定反映出来ましたし、Hyper Backupも十分機能検証したうえでDS218Playに導入したので、当初の目的は一通り達成した感があります。
実際にいつ実家側に設置できるかは不明ですが、そろそろ(買い替えに伴う提供用となった)iPad Pro 11-inch/2018含めて部屋の邪魔な荷物と化しつつあるので、早いところ持ち出したいところです・・・。
*1:まぁ、DSM7.0ベータで試してたし、最近DSM7.0リリースされたし、大丈夫やろ・・・。
*2:機械音痴の母親でもスマホとタブレット間で写真の同期が実現出来てたので、iCloudはスゴイ。容量が5GBしか無いので沢山写真撮ると容量不足で同期不能になるけど。
*3:大袈裟かも知れませんが、同居していない状態だと繰り返し教えると言うことが出来ないので無理です・・・。
*4:iPad ProをただのモバイルPC替わりにしていたので忘れてましたが、そう言えばUSB-C搭載しているから汎用品使えるわー・・・。
*5:最終的にDS218Playでもちゃんと設定して機能するよう設定しましたが、流石に私の環境下では口うるさい指摘が入るようなことはなく、セキュリティ アドバイザーに文句を言われない程度のことは実施出来ています。
*6:DS218PlayはRAID1構成ですが、RAID1はディスク故障に対する耐障害性があるだけで、バックアップの代替にはなりません。
*7:どことなくAppleのTime Machineに似た感じですね。
*8:まぁ、その数日後のラック整理時に事故で該当の2.5型HDDが物理故障する訳ですが・・・。
*9:結局は五輪ゴリ押しのツケで10月まで延長とかなりそうな気がしますが・・・。
*10:私の環境下だとL2TP/IPsecでYAMAHA RTX830に接続した場合ですね。
*11:ファイル数が少ないのでAntivirus Essentialでどのくらい速度低下が発生したのかは分かりませんが、なんとなくDS218Playよりもウィルス定義の更新に時間を要している気がします。
*12:通知機能も有効化しました。本当はメールでは無くDiscord辺りで通知を受け取ろうとアカウント作ったり準備したんですが、DSM側がjson形式のWebhookを叩けず頓挫しました・・・。