色々と身内でごたごたありましてiPad Proだけ持って帰省することになってしまいました。一晩だけなので、乗り切れると言えば乗り切れますが、果たしてiPad Proだけでやるべきことはこなせるのか、iPadがPCの代替になると得意げに意識高い系を中心にイキっているようですが、実態はどうなのか。
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まぁ、この手の話は「利用シチュエーション次第」の一言で終了と自分の中では結論付けているのですが、実際にiPadしか使える機器が無い状況下で*1なんとかなるのかを実体験ベースで綴ってみるものとします。
利用シチュエーション
PCの代わりになる・ならない以前の問題として、どのようなシチュエーションで利用することとなっているのか、明記しておこうと思います。
- ブロガーとしてブログ記事の草稿作成
- 検証環境へのリモート接続
- 自宅環境の試験環境・・・と言えばこれもまた意識高い系がドヤ顔で語ってそうですが、技術検証のためのテスト環境へ接続し、どのようなことが行えるかの確認を行うこと。
- 直近ではまだ戯言日記には記載されていませんが、DockerとPHPで動く会計ソフトのRUCAROに触れています。
・・・何やら自称意識高い系が精一杯考えた「ぼくのさいきょーのあいぱっどのつかいかた」見たいな痛々しいものが混入してしまっている感が拭えませんが、実際問題Simplenoteで草稿綴ったり、iOS/iPad OS版のリモートデスクトップアプリを利用して自宅環境に繋げているので嘘は一つも綴っていません。
写真趣味なんだからiPadでRAW現像処理とか、写真加工とかやれよ!・・・と言うのは薄々感付いていますが、私の中でiPadはあくまでPCの下位に属するものと言う前提なので、RAW現像や写真加工は行わない予定*2です。・・・iPadがPCの下位とか言う割には最近のiPad(特にPro系統)は下手なPCよりも高価な機器になってますけどね。*3
テキスト入力系は問題無い
最初に、ブログ記事含めたテキスト入力系統はiPadだけで事足ります。厳密には別売純正キーボードまたはBluetoothキーボードとiPadがあれば不自由しません。
特に私の場合はSimplenoteを利用して草稿を書き溜めていますが、その名の通りシンプルなので不自由することもなく、ほかのユーザさんのようにプログラミングでコーディング支援なども不必要なので戯言日記を綴るには不自由しません。
Simplenote自体も、今時の流行り言葉で言うのならばクラウド管理(会員登録の上でネット上での管理)なので、外出中はスマホで、カフェなど腰を据えられる場所ではiPadで、自宅ではPCで機器を選ばずに入力することが可能です。
ただ、ことわざで「弘法筆を選ばず」というのがありますが、筆を選びたい人と言うか名指しで言うならばATOKを絶対使うマンには不向きでしょう。
パソコンでもなんでもゴリゴリにカスタマイズして使うんだ!って人は根本的に選択肢が誤っているので、お手持ちのiPadは早々に売却してAndroidタブレット辺りを購入することをお勧めします。
閑話休題、変な拘りと言うか、オブラートを抜きに表すと病的拘りが無ければ純粋なテキスト入力関連に関しては何も気にせず使うことが可能でしょう。まぁ、純正キーボードケースが1万だ2万だ狂った金額設定なので、個人の趣味か余程予算の余裕がある会社じゃ無い限りはサードパーティ製の安価なBluetoothキーボードを使う事になると思いますが。*4
リモートデスクトップ、テメェは駄目だ
メインのテキスト入力は問題ありませんが、少し凝ったことを始めると途端に駄目になります。
iPadと言うかiOS/iPad OS自体はVPN接続に標準で対応しているので、接続可能な規格と接続設定を間違えなければ問題無くVPN接続出来ます。
なので、ビジネス用途的には出先から社内LANに接続し、社内のサーバや自席のPCにリモート接続する・・・と言うことも可能です。・・・が、正直リモートデスクトップアプリの出来が悪いので日本語環境下では真面な操作は不可能です。
具体的には、VPN接続して自宅内の色々と検証を行なっているサーバ(Windows10 Pro)に接続したのですが、日本語入力が壊滅的に駄目で文字入力出来ません。
恐らく1バイト文字(半角英数記号)なら問題無いとは思いますが、2バイト文字は入力出来たり出来なかったり、出来たとしても日本語変換が働きません。あぁ致命的。
また、環境次第ですが*5JISキーボードを認識しません。iPadで日本語キーボードを利用して、iPad上では日本語キーボードとして利用可能でもリモートデスクトップアプリでは強制英語キーボード認識です。
後者は、iOS/iPad OSのリモートデスクトップアプリが英語アプリなのが起因で、更にはリモートデスクトップセッション開始時に一部情報が適切に送信されていない為、英語キーボード以外として認識されないらしい・・・と言う問題があるようです。
・・・と言うか、これ実はmacOSのリモートデスクトップアプリでも全く完全同一な事象と言うか不具合が発生しているので、語弊満載で表すならばバグです。いや、英語環境ならば何一つ問題の無いクオリティに仕上がっているのでバグと言うよりは言語環境問題ですね。日本語環境で使う方が悪い。この一言に集約されてしまう有様です・・・。
そんな訳で、リモートデスクトップに関しては駄目駄目です。出来るのは画面操作のみ、リモートデスクトップ経由でアプリの検証だなんだってのをやろうとするとキーボード操作で詰みます。いえ、チョットしたコマンド程度ならキーボード配列の問題で四苦八苦する程度で済みますが、日本語入力を行おうとした瞬間に完全に詰みです。
かなり限定的用途ですが、iPadはPCの替わりにならない
自分自身の中では十分分かりきってたことですが、iPadはPCの替わりになりません。
もちろん少し前から改良が進み、最近では2つのアプリを同時に表示させても問題がなかったり、iPad OSでは同じアプリを左右に表示させたりすることも可能だと言う事は重々承知しています。そのため、ある程度はPCライクに使えることも事実です。
もっと言うと今回私が問題視しているのはリモート接続時の挙動であり、一般的なビジネス用途と思われるWord/Excel/PowerPointのOffice製品の挙動に対する文句ではありません。更に突っ込むならばMicrosoft純正アプリであるiOS版のリモートデスクトップ『アプリ』の低品質が問題なだけであり、iPad云々以前の問題です。
ただ私の用途ではiPadはノートパソコンの代替にはならないのは事実で、もしリモートデスクトップの利用を前提とした用途の場合は要注意です。Microsoft以外が提供する非純正のRDPクライアントを使うか、Windowsクライアントへのリモート接続を行わない前提で利用する事を強くお勧めします。或いは、RDP以外のVNCや何やら悪い噂が広まりつつあるTermViewなど他のアプリを利用した方がいいのかも知れません。・・・2バイト文字の扱いが問題無いアプリであることを確認する必要がありますが。
繰り返しにはなりますがモバイル用OSながらデフォルトでL2TPなVPN接続が可能で、アプリの出来さえ良ければPCと同等に扱えるのも事実です。・・・L2TPでVPNって部分は別にiPad OSに限定した話では無いですけど。*6
未だにiPadがPCのように扱えると言うのは過剰表現と思っていますが、このまま時代が進み、アプリのクオリティが上がっていくと本当にPC入らずになるかも知れません。
*1:最悪は撤去したALIENWARE 17が実家のどこかにあるので、本当に困った場合の後ろ盾がある訳ですが・・・。
*2:他の理由としては、カメラで1kgオーバー、iPad Proで800g近くの純粋な重量問題+Adobe CCの一番安価なカメラ趣味プランでクラウドストレージの容量が20GBと小さい+クラウドベースなのでRAWデータを月間20GBのLTE回線で扱う?の3点も積極的に使わない理由だったり・・・
*3:iPad Proを拘り構成で買おうとするとMacBookAirが普通に買える価格ですね。
*4:第1世代のiPad Proから純正キーボードに手を出していますが、無駄に高くて財布が(懐が寂しいと言う意味で)常時冷え込んでると言うのか(家計的な意味で)炎上してるというか。
*5:本来は宜しくない用途ですが、自動サインイン機能を有効化させて、スクリーンロック掛けずに運用しているマシンの場合は直前のキーボード設定が引き継がれるようで日本語キーボードとして使えるっぽいのですが・・・。