夏ぐらいにThinkPad X1 Nanoを衝動買いしました。結構な大金を費やした、私にしては珍しく豪華絢爛なスペックのノートPCです。
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今の今までこの手のUSB機器を接続せずにThinkPad X1 Nanoを利用してきましたが、少し前に衝動買いした4Kモバイルモニターを接続すると反応しません。
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USB-Cの電源は認識しているため(結構消費電力の大きいモバイルモニターなので)単純な電源供給量不足かな?と思い、USB-C to HDMI変換アダプタを通して接続するも反応せず。モニター自体は他のPCで認識していたため、相性問題かな?と手持ちの別の小型モバイルモニターとUSB-C接続で確認するものの映像出力される気配無し。
この時点で嫌な予感がしましたが、一応USB機器を繋げて様子を見てみましょう・・・と言うことで、USB-Cで繋がるUSBメモリを繋げるものの認識せず・・・。
おあー!!!11*1
返品できたものの・・・
中古保証がある機器だったので、返品はできましたが私物のモバイルノートPCが無くなりました・・・。
ThinkPad X1 Nanoは直前まで利用していたSurface Go 2の性能問題*2からの買い替えなので、Surface Go 2は既に売却済みなので携帯可能なWindows PCはもう手元にありません。・・・厳密には会社から貸与されたノートPCがありますが、それをプライベートで利用する訳には行きません・・・。
携帯可能な端末としてiPad Pro 11-inch/2021(Cellularモデル)がありますが、(意識高い系はiPadをPCに取って代わる素晴らしいものだと声高らかに絶叫してますが)あくまでPC(Mac)を補完するデバイスであって、現時点ではモバイルノートPCの代替にはなりません。一応、Simplenoteで戯言日記の草稿を作成しつつWeb閲覧は(画面を2分割することで)可能ですが、それ以上となると難しいものがあります。
・・・まぁ、そんな小難しいことを出先でやるくらいなら家でやれって話になりますが、今の私には利用頻度は低めではあるものの出来るならば外出先で使えるようなWindows PCが1台欲しいところです。
返品・返金から現金が多めにあるので早々に代替機を準備したい一方、返金分を全部銀行口座に入れればお先真っ暗な現代日本では将来物入りな時に助かるので、代替機を買わない選択肢も脳裏を過ります。
どうするべきか、悩みに悩んだ上で最終的に代替機を決断し、以下の有様となりました。
今回衝動買いしたSurface Pro Xについて
- 入手元 : ソフマップ
- 商品名 : Surface Pro X(SQ2/Wi-Fi版)+スリムペン付きSurface Pro Signature キーボード+McAfeeアンチウイルス1年1台
- 浪費金額 : 相殺0円(Surface Pro X)+相殺0円(Signatureキーボード)+1,870円(McAfee)
今回事情が事情なので、代替品の本体代金+実質Surface Pro利用の上では必須品のSignatureキーボード代は0円計上とします・・・。
ARMプロセッサを搭載した数少ないWindowsタブレットで、SoCにMicrosoft SQ2(Snapdragon 8cxのカスタム版)を搭載したモデルです。
別にタブレットPCにする必要はありませんでしたが、ちょうどソフマップで未使用品が特価だったので(ノートPCの後釜として)手を出してしまいました。・・・あと、将来的にARM版Windowsが浸透するのか否か不透明な状況が続いているため、今回手を出さないと当分触れる機会が無いと思ったので・・・。
入手したモデルはSurface Pro Xにも関わらずWi-Fiモデル(非Cellular版)と些か珍しいモデルですが、調べると日本国内では2022年1月11日から流通し始めた比較的新しいモデルのようです。
news.mynavi.jp
構成はMicrosoft SQ2/RAM 16GB/SSD 512GBの上位グレード、・・・上記のマイナビニュース記事で20万オーバーとかウッソだろお前・・・。*3
非LTEと言う点を除けば普通のSurface Proってところでしょうか。厳密にはフレームが(Surface Pro 7以前より)細くなっているため、若干スタイリッシュなモデル・・・でしょうか。本体の厚みも現行最新版のSurface Pro 9(Intel)よりは細いので、今どきのタブレットPCと言った風貌です。
性能面では、以前Linux用と称して衝動買いしたSurface Pro 7(Core i5-1035G4)の半分程度と言われているため、今回返品となったThinkPad X1 Nano Gen.1(Core i7-1180G7)からは大きく性能ダウンしてたりします・・・。
pc.watch.impress.co.jp
しかもSurface Pro XはARM系プロセッサなので、数多くのアプリはバイナリ変換を通して実行されるため、過度な期待は厳禁でしょう。
ちなみに、現在ではx64(64bitアプリ)もバイナリ変換が機能するので、ARM系プロセッサだからSurface Pro Xでは多くのアプリが動かない・・・と言う過去言われ続けてきた問題はほぼ解消されている・・・はずです。*4
キーボードについては、単なるSignatureキーボードを中古市場で美品を調達する予定・・・でしたが、在庫が無かったので泣きながら割高なスリムペン付きのSignatureキーボードを購入・・・。
以前はスリムペンを格納する窪みの無いタイプが販売してた気がしますが、マイナーチェンジされたのかスリムペン向けの窪みが無いモデルが見つからず・中古市場でも見つからず・・・。窪みがあるモデルは「ペン無くした大馬鹿者ですwww」を悪い意味でアピールしている感(勝手な被害妄想)が拭えず、誰に対しての見栄か分かりませんが意味不明な見栄から割高なモデルを買ってしまった次第です。
いくらThinkPad X1 Nano返品・返金で0円計上となるとは言え無駄な見栄は浪費そのものなので、被害妄想に近しい見栄は今後差し控えて行きたいところですね・・・。
・・・あ、先程Surface Pro XのUSB-C端子(2箇所)にモバイルモニターを接続し、表示されることを確認したのでUSB-C端子は壊れていないのは確認済みです。ThinkPad X1 Nanoで得た教訓はちゃんと活かしましたぞ・・・。
ウイルス対策製品の問題
現在のWindows11(最新だと23H2)では、x86/x64アプリをARM SoCで動かすバイナリ変換機能が備わっているため、多くの場合は何も気にせずに一般的なWindowsアプリが動作してくれます。
・・・が、極めて一部例外がありまして、ウイルス対策製品周りはバイナリ変換ではなくネイティブでARM SoCに対応している必要があります。既にSurface Pro Xがリリースされて数年が経過しているため、無償利用可能な製品から有償製品まで幅広く対応している・・・と思いきや、意外なまでにARM版Windowsに対応した製品が見つかりません。
例えば、私の環境ではメインで利用しているウイルス対策製品(で基本的なアンチウイルス機能は無償で利用可能)のSophos Home*5は、現在のところARM版Windowsには非対応です。
Note: ARM architecture is not supported
https://support.home.sophos.com/hc/en-us/articles/115005339243-Sophos-Home-system-requirements-
Sophosメインで使う前に利用していた(無償版がある)AVGですが、こちらも現在のところARM版Windowsは非対応と明記されています。
Intel Pentium 4 / AMD Athlon 64 以上のプロセッサ(SSE3 命令のサポート必須)を搭載した Windows 完全互換の PC。ARM ベースのデバイスはサポートされていません。
https://support.avg.com/SupportArticleView?l=ja&urlName=AVG-Antivirus-FAQ&supportType=home
無償利用可能な製品ばかり選んでるからだろwwwと怒られそうなので、(当然ながら有償製品の)ウイルスバスターのナレッジを確認してみると、無情にもARM版非対応のコメントが残されている始末です・・・。
※2 ARMプロセッサには対応しておりません。
https://www.trendmicro.com/ja_jp/forHome/products/vbp/requirement.html
有償製品でさえARM版Windows非対応と言う状況なので、意外とSurface Pro Xで利用するウイルス対策製品をどうするべきか悩ましいところです。
近年ではWindows Defenderが十分優秀なようで、無理に何らかのウイルス対策製品を導入する必要は無いかも知れませんが、マルウェア・ランサムウェア対策などを鑑みるとWindows Defenderだけでは些か力不足に感じます。
諦めが付かず、雑にGoogleで「ARM Windows ウイルス対策」で検索するとMcAfeeのページが引っ掛かりました。最近のGoogle検索はSEO対策だけは得意な「碌でもないサイト」ばかりが引っ掛かるため、積極的に無視していましたが四の五の言ってられないので見てみると・・・。
ARM ベースの PC にインストールするには、新しいバージョンのリブセーフまたはトータル プロテクションを使用している必要があります
https://www.mcafee.com/support/?page=shell&shell=article-view&locale=ja-JP&articleId=TS102987
なるほど、McAfeeならARM版Windowsでも動作してくれるような雰囲気です。
個人的にMcAfeeはいつだったかZenBookを衝動買いしたときに、プリインストールされていたMcAfeeが正常にアンインストールされない大問題があったため、あまり良い印象を持っていませんが他の選択肢はあまり無いようです。
調べてみるとヨドバシカメラでMcAfeeアンチウイルス1台/1年間のパッケージ版が1,870円とお手頃価格だったため、随分と久し振りに有償版のウイルス対策製品を購入しました。
https://www.yodobashi.com/product/100000001004168135/
今回のSurface Pro Xをどのくらい使い続けるかは不明ですが、1年経って普段利用しているSophos HomeやAVGなど無償利用可能なウイルス対策製品がARM版Windowsに対応したら乗り換えるもよし、対応しなかったらMcAfee更新するもよし・・・と言うことにします。
Surface Pro Xを軽く使ってみた雑感
とりあえず私が利用する上で必要な環境を整えて、Surface Pro Xを実際に持ち出して利用してみました。
最初に環境セットアップ中のお話になっちゃいますが、やはり体感速度が遅くてSurface Pro Xを選択したのは間違いだった・・・と後悔するレベルです。特に今回は未使用品と言うこともあり、プリインストールされていたのがWindows 11 21H1だったため、初手のWindows Updateに恐ろしいくらいの時間を要しました。・・・ARM版Windows 11のWindows Updateなのにダウンロード含めて3時間くらいは永遠とアップデート地獄だったため、AppleがIntelから独自SoC(Apple M1)に乗り換えたときのようなインパクトは期待しては駄目です。*6
アプリケーション周りについて、基本的にはバイナリ変換機能で上記のウイルス対策製品のような特殊極まりないソフトウェアを除けば何も考えずとも動作します。私の場合はFirefox・Thunderbird・Tera Term・サクラエディタ辺りがバイナリ変換機能で利用しているアプリになりますが、特に大きな問題は発生せずに利用できています。
Firefox・Thunderbirdについては(バイナリ変換も挟むこともあり)今回はMicrosoft Storeから導入してみましたが、公式サイトからダウンロードしたものと変わらずに利用できています。
ただ、Google Chromeについては32bit版しか入りませんでした。ネット上を見ると、企業向けChromeを称するページからインストーラーをダウンロードすることで64bit版がバイナリ変換機能を通して利用可能になるような書きっぷりでしたが、おま環なのか64bit版はインストールできず・・・。
atmarkit.itmedia.co.jp
もしかするとWidnows11 23H2にアップデートしたのが原因なのかも知れませんが、Chromeの場合はバイナリ変換を通して利用するとパフォーマンスに大きく影響を及ぼすとのことなので、今回はChromeはMicrosoft Edgeとのブックマーク同期専用*7として32bit版をインストールするに留めています。
もう1つ難点、普段はGoogle日本語入力を利用していますが、ARM版Windowsとの相性が悪いのか最初は動作していたのに端末再起動後に正しく動作しなくなってしまいました。徹底的な原因追求をしても良かったのですが、そこまでして使いたいと言う訳でもないのでSurface Pro XではMS-IMEを頑張って使っていく所存です。*8
アプリ周りは置いといて気になるバッテリーの持ち具合については、意外と悪くはないです。戯言日記草稿執筆環境として半日くらい持ち出して利用しましたが、バッテリー消費は約2時間20%前後でした。もう少し液晶照度の設定を突き詰めればメーカー公表値のバッテリー駆動で15時間と言うのは達成できそうですし、そうでなくとも現状で約10時間くらいは動作してくれる計算になるので、普段から持ち歩く機会の多いiPad Pro 11-inch/2021と同じような感覚で使っていくことが出来そうです。
利用してて気になる部分は、バイナリ変換で動作させているアプリケーション・・・でしょうか?現在はIMAPプロトコルで設定しているため、Thunderbirdインストール・設定時に同期処理で結構な時間を取られますが、同期中に著しくレスポンスが悪くなったタイミングがありました。複数のメールアドレスに対して同期しているため重たくなるのは至極真っ当なことですが、Intel CPUを搭載したPCでは発生しなかった事象なので少し気になるところ・・・。*9
Intel CPUを搭載したPCよりレスポンス面で気になる部分はあるものの、現時点では「買って大失敗した・・・」と感じる部分はありません。
ただ、上記で貼ったマイナビニュース記事にある(今回調達したモデルと同じ構成の)約20万と言う価格の価値があるかと言うと・・・。(何気に綴ってなかった)今回の調達金額である約9万チョットなら「ARM版と言う珍しい要素がありますし・・・」で許容できますが、フルプライスで買った場合は恐らく失望の方が大きくなりそうな気がします・・・。*10
長く雑に使いたいと綴ると短命に終わってる気がする
ThinkPad X1 Nanoを衝動買いしたとき、末永く雑に壊れるまで使っていきたい・・・と綴りましたが、残念ながら短命に終わりました。
それよりも前も、末永く大事に・・・の旨を発言すると短命に終わった気がするので、もう大事に使うとか末永く使うとか余計なことは言わないようにします・・・。
とりあえず、地味に珍しいARM版Windows端末なので、少なくとも雑に扱って液晶バキバキ事件を起こさない程度には雑に利用する所存です。
あと、このサイズのタブレットを真面目にWindows OSで使うのは意外と初めてかも知れないので、十分堪能して行こうと思います。・・・えぇ、箱入り娘状態にしてしまったのはSurface Laptop 4でノートPCですし、Surface Pro 7はLinux専用と称して実際Linux入れて遊んでWindowsでは遊んでいませんでしたし・・・。
しかし、Surface Pro Xはいつまで使い続けられるのやら・・・。そろそろWindows 12(仮称)がどーたらこーたらと叫ばれておりますが、Windows 12(仮称)には何とか対応して頂きたいところです・・・。
*1:俗に言う「ソニータイマー」状態でしたが、交渉してギリギリだからとお目溢しでなんとか(事象確認の上で)返品・返金になりました・・・
*2:Core m3-8100Yではスタートアップ時のウィルス対策製品の定義更新でCPUパワーを食い潰すわ、フルパワーで動くからバッテリー駆動だとスタートアップの十数分で10%くらい食い潰すわ・・・。
*3:どんぶり勘定で約2年で半値とか、ITデジタルガジェットの価格変化は諸行無常ってやつですね・・・。
*4:ソフマップで「これは特殊CPU搭載なので、Windowsだけど一般的なソフトは動きません!!!11」と超が付くくらいに注意を受けましたが、マイナーで特殊なソフトウェア以外は概ね動いてくれる・・・はず。
*5:なんかマイナーだね?と言われそうですが、MacOS X時代に無償で使えるウイルス対策製品がSophos系だったので、その流れで利用しています。
*6:ただし、Windows Updateさえ終わってしまえば、以降はそれほど違和感は感じません。
*7:Google Chromeが入ってないと、ブラウザ間でのブックマーク同期が行えなかったので・・・。
*8:意外とIMEに拘りはありませんが、なんとなく漠然とOS付属のIMEは出来が悪いと思い込んでいるため、Windows/macOSいずれもGoogle日本語入力を利用しています。
*9:Surface Go 2を利用してたときでも初回同期で極端にレスポンスが悪くなると言うことは無かった気がするため、恐らくバイナリ変換周りで「詰まった」のではないかと推察しています。
*10:貧乏性を拗らせた身と言う色眼鏡が付いている前提ですが、Surface Pro Xは高すぎて一体誰がその値段で買うんだよ・・・と言うのが正直なところ。Wi-Fi版のSQ1/RAM8GBモデルなら10万チョットのお値段のようですが、それでも・・・うーん・・・と言ったところ。