今年は少々発表が遅れましたが、2022年4月26日にLineageOS 19が正式にリリースされ、対応機種向けに公式ビルドが提供され始めました。
lineageos.org
詳細はChangelogの記事をGoogle翻訳さんあたりで変換しつつチェックするのが詳しいのですが、一番目立つ変化としては名称が19.0/19.1などリビジョンが付かない「LineageOS 19」となった感じでしょうか。
技術的には色々と変化していることでしょうが、表側で見える部分についてはそこまで極端な変化は無さそうな印象です。
そんな表側で見えない部分で大きな変化が発生した影響により、一部の旧型モデルはLineageOS 19には対応しない旨の告知が行われています。具体的にはまだ私自身も読み切れていないのですが、あまりに古い機種を利用している場合は覚悟を見めておいたほうが良さそうです。
・・・とは言うものの、まだまだLineageOS 18.1はサポート対象なので当分の間は大丈夫だとは思いますが、この1年間くらいの間でLineageOS 19の提供が行われなかったらその機種はカスタムROMを利用したとしてもソフトウェア的な寿命を迎えたこととなりそうです。*1
合わせてLineageOS 17.1は今回で終了っぽいので、LineageOS 18.1/19に更新出来ないスマホの場合は本格的に買い替えを検討する頃合いでしょう。・・・見るとHTC One 2014と年式付きの機種がリストアップされていたため、8年以上も前の機種が打ち切りでしょうか?余程物持ちの良い方以外はあまり影響無さそうですね・・・。
閑話休題、2022年4月2日に購入したPixel 4a(LTE)を活躍させる日が遂に来ました。
早速焼いてみたので、雑に手順を綴っておこうと思います。
sylve.hatenablog.jp
あ、ちなみにセットアップ画面はEssential Phone PH-1に入れたときとあまり変わらなかったっぽいです。
入れたぜ!Lineage OS 19 on Pixel 4a(LTE)、ヒャッハー遊ぶぜー(仕事しろw) pic.twitter.com/vbn8aESYuU
— シルベスタ岡崎 (@sylvenews) 2022年4月27日
準備事項
今回はPixel 4a(LTE)に特化して綴っています。
準備事項としては以下の感じ。
- Pixel 4a(LTE)本体
- SDK Platform-Tools
- moto g7 plusにPixelExperienceを入れたときと同じく
- https://developer.android.com/studio/releases/platform-tools
- PATHを切っておくと便利かも知れません
- Google USBドライバー
- Pixel 4a+Windows環境の場合限定、macOS/Linuxの場合は不要
- Pixelシリーズの場合はUSBドライバーは共通です
- https://developer.android.com/studio/run/win-usb
- Pixel 4a(LTE)向けのイメージファイル及びカスタムリカバリー
- LineageOSの機種別ページから両方入手可能
- Pixel 4aはLTE版・5G版の2種類があるので、所有している機種向けのイメージを入手する
- https://download.lineageos.org/sunfish
- MindTheGapps
- 雑に誰もが分かりやすい具体例を出すとGoogle Play
- https://androidfilehost.com/?w=files&flid=322935
- Pixel 4a+LineageOS 19の場合はMindTheGapps-12.1.0-arm64.YYYYMMDD_HHMMSS.zipを選択。
Pixel 4a・・・と言うかPixelシリーズ以外の場合は知りませんが、概ね同じような感じだと思います。
手持ちのmoto g7 plusの場合、PixelExperience導入時と同じくcopy-partitions-20210323_1922.zipを書き込むよう指定がありますが、基本的にやることは一緒です。*2
LineageOS 19の導入フロー
事前に必要なファイルは入手済み、SDK Platform-ToolsもPATH切ってコマンドプロンプトから叩けて、USBドライバも適用済みと言う前提条件です。
環境さえ整っていればA/Bパーティション(シームレスアップデート)周りは何も気にしなくて良さそうです。
大まかな流れとしては以下の通りです。
・・・なんか、結果的に毎年のようにカスタムROM焼いちゃってると「こんなに簡単です!伝えるべきことはありません!!!11」的な上から目線で綴ってしまいイカンですね・・・。でも仕事の合間に草稿書いているのであまり余裕がn・・・うわなにするのやめt(ry*3
bootloader unlock
機種によっては苦労しますが、Pixel 4aの場合は非常に簡単です。
音量Downボタンを押しつつ電源を投入し、bootloaderの画面を表示させた状態で以下のコマンドを叩くだけです。
fastboot flashing unlock
スマホ側で(英語で)「解除していいかい?」とメッセージが出るので、(音量UP/DOWNで選択候補を変更し)OKを選んで電源ボタンで確定すれば解除完了です。
カスタムリカバリーの書き込み
カスタムリカバリーの書き込みもbootloaderをunlockしていればコマンド一発で簡単です。
fastboot flash boot lineage-19.1-YYYYMMDD-recovery-sunfish.img
書き込み後、bootloaderから「Recovery Mode」を選んで起動すれば次の作業に移れます。
ショーマット処理
LineageOSのロゴ付きリカバリー画面が表示されていると思います。
タップ操作は可能なので「Factory Reset」→「Format data/factory reset」の順にタップしてデータ削除・フォーマット処理を実施します。
フォーマット後、カスタムリカバリの左上にある「←」ボタンをタップして最初のメニューに戻ります。
LineageOS 19書き込み
コマンドラインからの操作が必要ですが、比較的簡単なお仕事です。
「Apply update」→「Apply from ADB」の順にタップしてスマホ側は準備OKです。
コマンドプロンプトから以下のコマンドを叩いてLineageOS 19の書き込みを開始します。
adb sideload lineage-19.1-YYYYMMDD-nightly-sunfish-signed.zip
書き込み時に進捗率が47%くらいで止まりますが、エラーが出なければ気にしなくても大丈夫です。*4
エラー無く書き込みが終わったら「←」→「Advanced」→「Reboot to recovery」の順にタップします。この操作を行わないと後述のMindTheGapps書き込みに失敗します。
また、一度LineageOSを起動させてしまってもMindTheGappsの書き込みに失敗する可能性*5があるので、カスタムリカバリーの目立つ場所にある「Reboot system now」はタップしないよう注意してください。
MindTheGapps書き込み
再び(LineageOSのロゴが表示される)カスタムリカバリーの画面に戻ったら「Apply update」→「Apply from ADB」をタップします。
コマンドプロンプトから以下のコマンドを叩いてMindTheGappsを書き込みます。
adb sideload MindTheGapps-12.1.0-arm64-20220416_174313.zip
私が試したときは特に出ませんでしたが、もしスマホ側で「Signature verification failed」などが出た場合は、「Continue」を選択して処理を続行させてください。
最後に、書き込みが終わったら「←」→「Reboot system now」をタップして再起動します。
問題が無ければLineageOSのロゴが表示されてLineageOSが起動してきます。初回起動は時間が掛かるので、15分くらいは様子を見てください。*6
radikoはLineageOSだとやっぱり起動しない
LineageOS 19を導入して真っ先に試したのはradikoが動くかどうか。・・・まぁ、今回もLineageOSでradikoは動きませんでした・・・。
一般的に起動要件が厳しそうな銀行系アプリの挙動は見ていませんが、radikoが起動してくれないと言うことは、起動条件が妙に厳しいアプリはLineageOS 19での利用は駄目そうです。
あの手この手を使えば使えなくはないでしょうが、イタチごっことなりそうなので延命目的でLineageOSを利用する場合は起動要件が厳しいアプリは使えないと考えておいたほうが無難そうです。・・・いや、日本の中でカスタムROMと言うかなりニッチなものを利用してまでスマホを延命して未来永劫使っていきたいと言う人がどのくらいいるのかと言われると偏屈極まりないユーザーの中でも、相当に厳選されて気難しいどころでは無い話になりそうな気がしますけど・・・。*7
なにはともあれ、対応機種についてはもう1年くらいはソフトウェア的な観点でAndroidスマホを延命させることが可能なのでありがたい限りです。
今回のPixel 4aがどのくらいのあいだ延命できるかは分かりませんが*8少なくともLineageOSで遊んでいくには数年間は不自由しないと思うので、適度に遊んでいこうと思います。
・・・まぁ、あと2年チョットしたら手持ちのPixel 5aがEOLを迎えて同じくROM書き換えスマホに転用しても痛くなくなるので、Pixel 4aがROM書き換えでの覇権は短い期間で終わりそうですけど・・・。
*1:頑張って他のカスタムROMを探すと言う選択肢もありますが、LineageOS以外で結構な機種向けに公式ビルドを提供しているカスタムROMは個人的には知りません・・・。
*2:あ、一応moto g7 plusもLineageOS 19は対応です。・・・Changelogには記載されていますが、まだ公式ビルドは(草稿作成時点では)まだ上がっていないようですが・・・。
*3:仕事しろ仕事、お前の本業で生業は在宅勤務なITエンジニアであり、ブロガーではないぞ・・・。
*4:PixelExperienceのときも発生した事象なので、よくある事象と言う奴です。
*5:注意書きには記載されていますが、実際に操作したらどうなるのかは分かりません。
*6:15分経っても初期セットアップ画面が表示されない場合は、「文鎮化した!」と絶望しつつ手順不備が無いかを確認していきましょう・・・。
*7:そもそもカスタムROMはメーカー標準ROMでは実現できないことや、反骨精神を拗らせた厨房精神を持つような人が使う印象が強く、延命目的で使うって事例はあまり無い気がしますが・・・。
*8:そもそもPixel 4aはあと1年少々はGoogleからOSバージョンアップ・パッチ適用が確約された機種なので、延命するには早すぎますけど・・・。