少し前の情報になりますが、PC WatchにてスマホでWindows向けゲームを動かすための「Winlator」と呼ばれるエミュレータを紹介していました。
pc.watch.impress.co.jp
詳細は記事を参照ですが、AndroidスマホでWindows向けゲームを動かすための「野良アプリ」*1で、ある程度のスペックがあれば近年のWindowsゲームが動かせる・・・らしいとのこと。
ただし、最適化されているSoCがSnapdragonシリーズ限定のため、私が現在所有しているAndroidスマートフォン(Pixel 9 Pro Fold)では動かなくはないけれど・・・と言った状況です。(それ以前に「野良アプリ」を主要スマホに入れたくない・・・)
一応、カスタムROMのLineage OSをインストールしてるPixel 4a(LTE)もありますが、どう考えても古い世代のSoCなので快適な動作は期待できず・・・。
sylve.hatenablog.jp
・・・ならば、Winlatorで遊べそうなスマホを1台買っちゃうか!
どのAndroidスマホを買うか
普段なら「今回買ったスマホ!!!11」と言う項目になりますが、今回は熟考する時間が必要です。
冒頭にあるとおり、Snapdragonシリーズに最適化されているので搭載されているSoCに注意を払う必要がありますし、お遊び用途なので直近買ったPixel 9 Pro Foldのような大金は注ぎ込めません・・・と言うか、Pixel 9 Pro Foldで散財し過ぎてお金がありませんorz
また、遊び終わったらカスタムROMのLineage OSを突っ込むことが容易に想定できるので、Lineage OSに対応する機種である必要もあります。
思考を巡らせた結果、Google Pixel・・・の中でも骨董機種になりますが、Pixel 5a以前の機種から選定することとしました。
現在のPixelはGoogle独自のSoC(Google Tensor)を搭載していますが、過去はSnapdragonシリーズを搭載していました。そんな中でも、廉価版を指す「a」が付かない機種は一部を除きSnapdragonシリーズ800番台の上位モデルを搭載してるため、Winlatorを動かすには都合が良さそうです。
また、Google PixelはROM書き換えが容易に行える機種なので、(メンテナー/開発者の方々が大変なご苦労をされている上で成り立ってますが)*2Lineage OS書き換えなんて出来て当たり前くらいの機種です。
そんなPixelの中でも5a以前の機種から、何を選択するのがベストか。
順当に行くなら廉価版ではない最終世代のPixel 5を選ぶのが唯一無二の選択に思えますが、そう簡単な話でもないようで・・・。
簡単にPixel 5a以前の機種と搭載されているSoCを調べて書き出すとこんな感じです。
| 機種名 | SoC | 備考 |
|---|---|---|
| Pixel 5a | Snapdragon 765G | 廉価版最終世代 |
| Pixel 5 | Snapdragon 765G | 通常版最終世代 |
| Pixel 4a(5G) | Snapdragon 765G | 廉価版で5G対応モデル |
| Pixel 4a(4G) | Snapdragon 730G | 廉価版の4Gモデル |
| Pixel 4 | Snapdragon 855 | サイズ違いのXLあり |
| Pixel 3a | Snapdragon 670 | サイズ違いのXLあり |
| Pixel 3 | Snapdragon 845 | サイズ違いのXLあり |
廉価版ではない最終世代のPixel 5、実は直前の廉価版であるPixel 4aの5G対応品と同じSoCのため、メモリ容量の差はあれどSoCの性能自体は廉価版と同じです。・・・と言うか、過去に所有してたPixel 5aのSoCってPixel 4a(5G)から一切合切変わってないのかよ・・・。
sylve.hatenablog.jp
そうなるとPixel 4に搭載されているSnapdragon 855がPixelシリーズで搭載されたSnapdragon最高性能になる訳ですが、実はPixel 5搭載のSnapdragon 765Gよりも1世代古いSoCになるので、世代間の性能差も考慮する必要があります。
いずれも少々古いSoCなので、雑な性能比較サイトでどのくらいの性能差があるかを確認します。
www.cpu-monkey.com
cpu-monkeyのページ下部に複数のベンチマーク結果が表示されているのでそこで確認すると、世代差はあれどSnapdragon 765GよりもSnapdragon 855の方がハイスコアを残しているので、私がWinlatorで遊ぶスマホはSnapdragon 855搭載のPixel 4を選ぶのが良さそうな感じです。
なお、予算に糸目を付けないと言うのなら、PC Watchに記載があるとおりWinlatorで最適化されているSnapdragon・・・の中でもGPUまで完全に最適化されているAdrenoの700番台を搭載しているSnapdragon 8 Gen3搭載機種を選ぶのがベストと考えられます。
将来的には現行のSnapdragon 8 Eliteも対応されると思いますが、現時点(草稿を作成している2025年6月中旬時点)でWinlatorを最良の環境で動かしたい場合はSnapdragon 8 Gen3搭載機種にするのが無難です。
今回衝動買いしたPixel 4について

長い前置きの上で今回衝動買いしたスマホの紹介、Pixel 4の中古品です。
残念ながらもう古い機種で中古屋でも選択肢がほぼないのでストレージが少ない64GBモデルですが、(キャリアモデルのUnlockではない)国内SIMフリー版が手に入りました。
既にスマートフォンとしては骨董品で、Googleのサポートも完全に終了したモデルですが、上記のとおりPixelシリーズのSnapdragon搭載モデルではもっとも性能の高いSnapdragon 855を搭載した機種です。
PixelシリーズなのでROM書き換えも簡単に行え、とりあえず初手でLineage OSに書き換え済みです。・・・標準ROMはもう1年以上も前にAndroidバージョンアップ・月次セキュリティ更新が終了しているので、標準ROMで利用するのは逆に「危険が危ない」状態ですので・・・。
骨董品スマホと言えど本体ケースくらいは・・・と言うことで、格安ケースをAmazonで発注していますが、安いガラスフィルムがあったらそれも欲しいところ。
ただ、Pixel 4は年式的にも用途的にも費用を注ぎ込むようなスマートフォンでもないので、ガラスフィルムは気が向いたときに探して安いものがあれば・・・くらいの感覚でいようと思います。
Winlaotr面白い
まずはPC Watchの記事を参考にゴニョゴニョして、とりあえず大昔のベンチマークツールであり「ゆめりあベンチマーク」*3は動きました。
Winlatorで遊ぼうってのが少し前のPC Watchで出てて気になってたので、その生贄にPixel4はなったのです。
— シルベスタ岡崎 (@sylveokazaki) 2025年6月8日
・・・で、手元にゲームが無かったのでゆめりあベンチなどを・・・(また懐かしいものを・・・) pic.twitter.com/nzyZnqKOgM
意外とヌルヌルと動いてくれたのでSnapdragon 855でも(Winlatorで)遊べそうな気がしますが、残念ながら手持ちに古いゲームがないので、実家へ帰省したタイミングでいくつか古い同人ゲームを引っ張り出して動くか試そうと思います。
ただ、Pixel 4は(USB-Cからの)映像出力に非対応の機種なので、大画面でWinlatorを利用したゲームをプレイできないこと。
Lineage OSに入れ替えたので、(制約として縛っていると言われてるLinuxカーネル変わってるだろうし)ワンチャン映像出力できるかな?と淡い期待を抱いたものの、現実とは残酷なものです・・・。
その他、少しキーボード周りが怪しく、USB-Cのハブを経由して適当なキーボードを繋げてみましたが挙動が怪しめ。
単に英語キーボードとして認識されててキーアサインが変と言うレベルではなく、何らかのキーを押下して数秒後にキーが効くような挙動を示しているので、この辺はもう少し調べる必要がありそうです。
マウスについてもキーボードと共通のUSBレシーバーを利用しているのが原因か、キーボード側で何かのキーを押して数秒後にカーソルが反応するなど、不可思議な挙動を示しています。
いずれにしても、古いゲームを遊ぶ環境としては興味深いため、もう少しゴニョゴニョとWinlatorで遊んでいこうと思った次第です。

