Re:シルの日々の戯言。

散財が生き甲斐になりかけている、デジタルガジェット大好き自称黄色いネズミの戯言。

VMware ESXiの無償版ライセンスが終了のお知らせ

2024/01/25追記

下記で404 Not FoundになっていたKBドキュメントが再び参照できるようになり、別記事参照となりました。
blogs.vmware.com

いずれにせよVMware vSphere Hypervisor(無償版VMware ESXiのライセンス)は終了のお知らせのようなので、自宅サーバー勢の(特に無償版ESXiご利用の)方々は将来的な乗り換え先をどうするかを考えておく必要があります。

2024/01/25追記終了


年明けから忙しく全然情報を収集出来ておりませんでしたが、どうやらVMware ESXiの無償版ライセンス(VMware vSphere Hypervisor)を含めた買い切り版ライセンスが提供終了になったとのニュースが出てきました。なお、以下の記事は要会員登録のため、全文閲覧したい場合は会員登録してください。
www.itmedia.co.jp

ただし、ニュースのソースとして示されているVMwareのKBは現在参照不能(404 Not Found)が表示されているため、改めて該当ドキュメントが公開される・続報ニュースが出るなどの情勢を見定める必要がありそうです。
kb.vmware.com

・・・とは言うものの、VMware ESXiが将来的にサブスクリプション化よる有償化は避けられない未来のため、俗に言う自宅サーバーで(無償版ライセンスのVMware vSphere Hypervisorで)ESXiを利用している身としては他のハイパーバイザーに乗り換えを検討せざるを得ない状況となりました。費用次第ではサブスクリプションでお金を出しても・・・とは思いますが、恐らく個人で出しても良いような金額には収まらないでしょうし、現実的には他の(無償で利用できる)ハイパーバイザーに乗り換えざるを得ないでしょう・・・。

ハードウェア都合でHyper-V Server 2019は利用不可

私がESXi以外で真っ先に思い付く無償利用可能なハイパーバイザーは、Microsoft Hyper-V Server 2019です。
www.microsoft.com

これはWindows Server 2019をHyper-V専用にカスタマイズした製品で、ダウンロード時に氏名・メールアドレス・会社名など*1を求められますが、それ以上の情報は要求されません。
Hyper-V Server 2019自体は基本的にCUI操作しか行えず、Hyper-V周りを本格的に触れようとすると(Windows11/10に)Hyper-Vクライアントの導入が必須になりますが、実はWindows Admin Centerと呼ばれるWeb管理画面経由でも(Hyper-Vの)操作が可能です。
www.microsoft.com

使い勝手は大きく異なりますが、一応今まで利用してきたVMware ESXiと同じくWebクライアントで操作が完結できるので、慣れの問題さえ克服すればHyper-V Server 2019に乗り換えても良いのかも知れません。

・・・が、問題点が1つありまして、現在ESXiサーバーとして利用しているNUCのNUC10i7FNHに搭載されているNIC(有線LAN)がHyper-V Server 2019に対応していません。
具体的にはNUC10i7FNHに搭載されているNICはクライアントOS(Windows11/10)を大前提としているため、ベースがサーバーOSのHyper-V Server 2019に適合するドライバが提供されていません。だったらクライアントOS向けのドライバを入れれば・・・と思われそうですが、クライアントOS向けドライバを入れようとすると「(現在動かしているOSで動作する)NICが存在しません!」とメッセージを吐き出す仕様になっています・・・。
solomon-review.net

一応、デバイスドライバを無理矢理書き換える方法で導入自体は可能ですが、書き換えた時点で不正なドライバと認識される関係上サーバー用途としては利用したくない状態になります・・・。
そのため、ハイパーバイザー用に利用するハードウェアを変更しない限り、私はHyper-V Server 2019に乗り換えると言うことが出来ません・・・。

Proxmox VEは「なんかやだ」

他に無償で利用できそうなハイパーバイザーとなると、Proxmox VEが一般的な最有力候補でしょうか?
www.proxmox.com

私と同じくESXi無償版終了のお知らせでたまを抱えている方もProxmox VEを上げているようですし、INTERNET Watchの連載記事でも最近Proxmox VEを取り上げているので、ESXiからの乗り換えには都合が良さそう+情報鮮度の新しい記事もあり導入スタートアップとしては都合が良さそうです。
kulog.org
internet.watch.impress.co.jp

ただ、Proxmox VEはインストール時に毎回メールアドレスの入力を求められる・サブスクリプションありきのため毎回「貴方は無課金です。サブスクリプション登録にお願いします。」の旨のメッセージが出てくるため、心情的に「なんかやだ」です。*2
毎回インストールするタイミングでメールアドレス入力を求められるのは正直煩わしいですし、サブスクリプション無しを毎回咎めてくるような表示はいくら無償利用できると言えど目障りなので辞めていただきたいところ・・・。

そのため、Proxmox VEは生理的に嫌な部分があるので、他に選択肢が存在しないと言う状況に追い込まれない限りは選びたくないです。

NutanixにAHV(旧名Acropolis Hypervisor)があるらしい

個人的なワガママから頭を抱えていると、Nutanix AHVと言うものがあるらしいと知りました。
www.nutanix.com

Nutanixの機能の1つにはなりますが、少なくとも今回私が望む用途としては機能してくれそうな雰囲気があります。
合わせて過去にINTERNET Watchでも先のProxmox VEを取り上げた方の連載記事でも紹介されているため、Nutanixに関する情報はそこそこありそうな雰囲気です。
internet.watch.impress.co.jp

記事を見る限りWebクライアントが実装されているので、管理面では(画面の違い・お作法など)慣れてしまえば、今までと同じように利用できそうな気がします。
メモリ管理周りで難があるような部分が記事にありますが、現在ESXiを動かしているNUC10i7FNHは64GBメモリ環境のため、メモリ不足に悩まされることはなさそうです・・・が、32GBではメモリ不足気味と言うのはなかなかですね・・・。
まだ私自身での検証は出来ておりませんが、インストール後に認証のためにMy Nutanixアカウント情報を入力する必要はあるものの、Proxmox VEのように(意味はあるのでしょうが)意味もなくメールアドレス入力をインストール時に要求する・サブスクリプション無しを咎めるようなメッセージも表示されないようなので、個人的にはNutanixを移行先としたいところです。
www.nutanix.com

急いでNutanixへの移行は必要はないものの・・・

ESXi無償版終了のお知らせを受け、やや先走り気味に移行先を検討してきましたが、バージョン次第ではあるものの焦って移行する必要はありません。
現在404が出ているKBの末尾に以下のような文言が含まれていました。

If you are an existing customer and have purchased the above End of Availability products, but are not up for renewal there is no immediate action required at this time and VMware will continue to offer active support through the duration of your Support contract.

https://kb.vmware.com/s/article/96168

DeepL大先生に翻訳して頂いた結果が以下の通りですが、当面の間は今すぐこの瞬間にサポートが完全終了すると言う話ではありません。

既存のお客様で、上記のEnd of Availability製品を購入され、更新のタイミングを迎えていない場合、現時点で直ちに対応する必要はありません。

もう少し細かい部分をチェックすると、現行のESXi 7.0/8.0のサポート終了は当分先の話になります。VMwareから提供されている資料もありますが、NECがわかりやすくサポート期間をまとめてくれたドキュメントがあるため、そちらをリンクとして貼り付けておきます。
www.support.nec.co.jp

General Support(新しいハードウェアや新しいゲストOSへの対応・バグ修正セキュリティパッチなど)はESXi7.0だと2025/4/2・ESXi8.0だと2027/10/11とされているため、パッチ提供などもサブスクリプション化されない限り、然るべきものは提供され続けられそうです。
ただ、ESXi 7.0を利用している場合はGeneral Support期限が来年に迫っているため、そろそろ(まだvSphere Hypervisorライセンスの発行が可能ならば)ESXi 8.0アップグレード or キナ臭い話になってきたので(特に自宅サーバー勢は)他のハイパーバイザーに乗り換えを検討を始めたほうが良いかも知れません。

私の場合はESXi 8.0にバージョンアップ済みのため、パッチ提供もサブスクリプション化で要課金の状況にならなければ(サポート期限の観点では)まだ余裕があります。
また、General Support期限の2027年10月の頃には(私がESXiサーバーとして利用している)NUC10i7FNHも陳腐化が進んでいるでしょうし、ハードウェア含めてのリプレースが現実的な対応かと思います。

いずれにせよ、自宅サーバーで利用する環境としてのVMware ESXiは終焉を迎えたと考えた方が良さそうです。
何気に長い間利用してきましたし、生業のIT屋さん観点でも個人で(vSphere Hypervisorライセンスの範囲で)触れてきた知見が役立ったりしたので思い入れはそこそこありますが、個人でESXiを触るのはここまでのようです。

とりあえずESXi 8.0でパッチがサブスク化されない限りは使い続けると思いますが、今までありがとうVMware、そして多分きっと恐らくメイビーさようならVMware
願わくば布教用として無償版ライセンスを改めて公開してくれること、またはせめてESXi 8.0のパッチは今まで通り配布してくれると大変うれしいです。

*1:少し公私混同になってしまいますが、IT企業に名ばかりですが役職付きで所属しているので私は気軽に(技術検証名目で)情報を出せますが、個人で試したい場合はどうしたらいいのか悩みそうな部分です。

*2:インストール時にメアド必要なの?と思われそうですが、過去にも無償版ライセンスだとTPM2.0対応されないから(ESXiから)乗り換えようとProxmox VEを試したりしています。