Re:シルの日々の戯言。

散財が生き甲斐になりかけている、デジタルガジェット大好き自称黄色いネズミの戯言。

NUC8i3BEHをWindows11マシンに仕上げた

昨年Windows11が登場したのに合わせて、世代的に老朽化が進んだ実家PCの買い替えで結果的に2台ほどPCを購入しました。
それだけでなく携帯用に追加で1台、ハードオフでジャンク扱いの1万円ノート(Celeron N4000のスゴクオソイPC)*1も提供となりました。
sylve.hatenablog.jp

そのため、私の手元に動作要件を満たしたWindows11が動作しているPCが1台もありません。
アップグレード可能なPCは何台かありますが、業務支給品で勝手なアップグレードは不可能だったり、NUC8i7HVKというゲーミングNUCでGPUのドライバ待ち*2だったりします。

またWindows11では動作要件が厳しくなりTPM2.0対応が必須とされているため、VMware ESXiの無償版ライセンスであるVMware vSphere HypervisorではTPM2.0の要件を満たせず、手持ちの仮想化環境ではWindows11を動作させることができません。
要件チェックをゴニョゴニョすることで要件を満たさない環境にインストール・アップグレードさせることは可能ですが、今度は(Microsoftの匙加減で要件を満たさない環境では)Windows Updateが実施出来なくなるリスクが発生するため長期的に利用するには不向きです。

現在はリスクを覚悟で仮想環境に(動作要件をパスして強引に)Windows11をインストールし、さらにGPUパススルーまで設定しているのである程度は快適に動作するWindows11環境を整えていますが、上記の事情からいつまでもその環境を使い続けるわけにはいきません。・・・そもそも仮想環境に立てたWindowsマシンは仮想環境のメンテナンス用であり、Windows11で弄ぶ環境ではありません。*3
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そんな中NUC8i3BEHが余った

リスクはあるものの(要件ガン無視で入れた)仮想環境で良いか・・・と思いつつ、先日NUC8i5BEHを購入してデジタル放送録画環境のアップグレードを行いました。
型番を見て察せると思いますがNUC8i3BEHとNUC8i5BEHはCPUだけが異なるモデルなので、現在利用しているメモリ・SSD/HDDを単純に付け替えるだけで済むと言う理由がアップグレードした最大の理由*4ですが、これによりNUC8i3BEHが余りました。

NUC8i3BEHはCPU的な観点ではWindows11に対応しているNUCです。近年うるさくなったSecure Bootにも対応していますし、TPM2.0の要件も満たせます。メモリ・ストレージは部品さえあればどうにでもなるので、Windows11の要件を満たす部品を買ってくれば済む話です。
そして、NUC8i5BEHを購入するタイミングで(どうせ使いまわすだろうしと言う理由で)メモリは8GB確保しています。SSDは少し悩みましたが手持ちに2.5型SATAの240GB SSDが余っているので、M.2 NVMeのSSDを買わず予算を節約することとします。*5

NUC8i3BEHのデバイスドライバ周りは、実はIntel公式からはまだ提供がありません。・・・が、新規にクリーンインストールするのであれば、まぁ気にしなくても良いでしょう。この辺はメインで使うPCではないので気楽に考えられますし、手持ちのNUC8i7HVKのように一種のゲテモノ染みた構成ではありませんし、IntelとしてはWindows11を動作対象OSとしているので大丈夫でしょう。
www.intel.co.jp

最大の問題であるOSライセンスは、手元にあるので恐れるものは何もありません。

しるべすた は Windows11 ましん を てにいれた。

Windows11環境の構築

NUC8i3BEHは雑にWindows11を動かすための環境ですが、今まで仮想化環境で動かしていたWindows環境をベースに作りこむこととします。

構成はメモリ8GB+手持ち2.5型SATA 240GB SSD、あとSSDキャッシュのような形で動作するOptane Memory M10(16GB)です。
Optane Memoryを利用する都合上、UEFIでOptane Memoryを利用する旨の設定を投入しておく必要があります。

OSインストールに関しては、要件的にWindows11に対応したハードウェアなので何も気にすることなく、要件チェック回避の小細工をしなくとも普通にインストールできます。
デバイスドライバ周りはWindows Update経由で一通り適用できますが、Windows Updateの詳細オプションから「オプションの更新プログラム」にもいくつかデバイスドライバが検出されていたため、オプションを含めて全て適用させればOKです。

但しOptane Memoryを利用する都合上、Intel RST(Rapid Storage Technology)は手動でインストールする必要があるので、これだけは手動でダウンロード・インストールしておく必要があります。
www.intel.co.jp

NUC8i3BEHはリモートデスクトップ経由で利用することを考えているので、リモートデスクトップ接続が可能になるよう設定を投入、合わせてスリープさせないよう電源設定も変更しています。*6

あとは好きなブラウザやらテキストエディタやらTera Termやら適当に突っ込めば環境は完成です。

今の時代にOptane Memoryは不要

今回Intel Optane Memoryを見かけたので手を出してみました。

Optane Memoryは先の雑な説明の通りSSDキャッシュのような機能で、主にHDDを利用したシステムには効果絶大な技術です。
条件としてIntel第8世代Core(一部第7世代)以降で、ローエンド以外のチップセット*7を搭載したマザーボードで、Optame Memoryに対応したファームウェアが搭載されて、Intel RSTを導入した環境で利用可能とのことです。

今回はSATA SSDを搭載しているので(論理値で600MB/sが出るため)そこまでOptane Memoryの効果はありませんが、それでもSATA SSDの600MB/sを上回る速度が得られるであろうとの判断から雑に手を出してみました。・・・あと、じゃんぱらで1,500円前後と安かったので・・・。*8

結論としては、Optane Memoryを使うと書き込み速度が著しく遅くなりますSATA SSD単体で利用するとReadが約550MB/s・Writeが約450MB/sですが、Optane Memory併用だとReadは約930MB/sまで伸びるものの、Writeが約150MB/sとSSDとは思えない値に悪化します。
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原因は今回調達したOptane Memoryが旧型モデルのOptane Memory M10の16GBと言う部分、無条件でRead/Writeも改善されると思い込んでいましたがOptane Memory M10の仕様が掲載されているメディア記事を見ると16GBモデルはRead 900MB/s・Write 145MB/sを紹介されています。*9
pc.watch.impress.co.jp

さらに、上記の記事でSSD周りについては以下の内容で締められています。

少なくとも、SATA SSDのライト性能を上回るOptaneが登場するまでは、効果的な組み合わせとは言えないだろう。

単に今回調達したのが旧型モデルだから、新型にすれば大丈夫だろ・・・と思われそうですが、残念ながら現実はそこまで甘くはありません。
そもそも新型Optane Memoryをどこで買えるんだ?と言う問題*10もありますが、Optane Memory M10以降のモデルでも性能面では微妙の一言です。Optane Memory最新でありコンシューマー向けの最終モデルと思われるOptane Memory H20では、Optane+NVMe SSD構成でRead 3,300MB/s・Write 2,100MB/sとされているようですが、だったら普通のNVMe SSD買えばいいよね?と言うお話に尽きます。例えば(ESXiマシンで利用してたCrucial P2が故障した都合上)少し前までは贔屓していたCrucialさんトコのP5(PCIe3.0 x4)の500GBモデル、この戯言日記作成時に実売1万以下のモデルですがRead 3,400MB/s・Write 3,000MB/sなので、Optane Memoryが無くとも十分速いSSDになっています。
pc.watch.impress.co.jp

安かったから手を出したOptane Memoryですが、2022年を迎えた現在では完全に不必要なものです。旧型のモデルはHDD併用の環境ならば利用価値は十分ありますが、後継モデルはそもそもOptane+SSD構成なのでアクセラレーターとして意味あるの?状態に近いですし、入手性を考えると普通にNVMe SSD買った方が手っ取り早いですし、なにより時代の流れでNVMe SSDも(安物ローエンドモデルでなければ)十分に高速なのでOptane Memoryは存在意義を失ったと言っても良いでしょう。
そのため、明確な目的(Intel第8世代のマシンなのにHDD使ってる・M10以降のモデルでOptane Memory+SSD構成のモデルが中古屋で安いからetc)が無ければOptane Memoryは手を出さない方が身のためです。

物理Windows11マシンを楽しんでいきます

Optane Memoryの件は残念でしたが、とりあえず常用出来るくらいに環境を整えたWindows11搭載マシンが完成しました。

今のところWindows11だからと言ってどうこう言える部分はありません。外見が少し変わりましたが、従来から利用しているアプリケーションが動作して、従来通り利用できています。
過去にWindows XPからVistaに切り替わった時のようにレスポンスが著しく悪くなったなどもなく*11タスクバーに表示されるスタートボタン(Windowsロゴマークボタン)の位置に慣れてしまえば個人的には問題なく使っていけそうです。
使い込んでいけば細々とした不満点が出てくるのかもしれませんが、とりあえず今は「新しいOSの環境だぁー」と小喜びしておくこととします。

しかし、第8世代なので最近の・・・とは言えませんが、最近のCore i3マシンは馬鹿にできたものじゃないですね。さすがにメモリ容量が8GBなのでいろいろと動かすと心許ない部分はありますが、ネット閲覧ベースで使う分には8GB使い切ることはありませんし、動きが緩慢で嫌になるってこともありません。
当分このWindows11マシンを弄る予定はありませんが、メモリを(エンコード時もほぼ使っていない)デジタル放送録画環境と入れ替えて16GBに増強してみたり、ESXiマシンの変換下駄噛ませて利用しているM.2 SATA SSDを(代替となる2.5型SATA SSDを買った後で)意味もなく搭載することとなったOptane Memoryと入れ替えてみたりしたいところです。
・・・まぁ、環境強化して何をすると問われると何も言えなくなりますが、手元でいろいろと遊べそうなNUCなので壊さない程度に楽しんでいきます・・・。*12

*1:Windows11のInsider Previewで長らく弄んできましたが、PC側があまりに低性能で常用するのが厳しいレベルのPCです・・・。

*2:Intel公式にはアップグレード可ですが、Intel CPUなのに(AMDの)Radeon内蔵と言う特殊過ぎる存在のため、デバイスドライバが公開されるまではアップグレードする予定はありません・・・。

*3:自分でも忘れがちですが、Macメイン+ゲーミングNUCの環境を汚したくないので雑に使えるWindows環境として仮想環境にもWindowsを立てている訳でして・・・。

*4:一般的な自作PCで例えると、CPUだけ換装するようなイメージですね。またデジタル放送録画環境ではUbuntu(Linux)を利用しているので、Windows系OSのようにライセンス周りであれこれチェックしていないため、変な挙動がないと言うのもパーツ載せ替えだけで動かせると判断した理由になります。

*5:実際にはOptane Memoryが売ってたので、それと併用することとしましたが・・・。

*6:特に綴っていませんが、Windows11 Proを入れています。一応雑にモニターは繋げていますが、メインで利用するわけではないことから基本的にリモートデスクトップ接続経由での利用を想定しています。

*7:Intel第8世代Core向けでも、H310を搭載したマザーボードはOptane Memory非対応とのこと・・・。・・・手持ちのDeskMini 310、お前Optane Memoryアカンのか・・・。

*8:安くなかったら手を出しませんでした・・・。

*9:Optane Memory M10の32GBモデルでもRead 1,350MB/s・Write 290MB/sなので、Write性能がSATA SSDの論理値を下回る有様です。

*10:Optane Memory M10は16GBモデルをじゃんぱらで、M10の後継モデルであるOptane Memory H10は秋葉原GENOで16GB(Optane)+256GB(NVMe SSD)/32GB(Optane)+512GB(NVMe)の2種類を見かけましたが、他では見かけず・・・。

*11:あの時は、市販PCの多くがメモリをケチり過ぎたのが悪評の最大原因で、十分なメモリを搭載していれば外見だけの問題で済んだんですけどね・・・。実際問題、VistaプリインストールPCを衝動買いしたのに合わせてメモリ増設と(オマケで)CPU換装したら不満無く動いて利用出来ましたし・・・。

*12:仮想マシンと異なり、スナップショットで気軽に戻すことはできませんが、このWindows11環境が潰れたとしても痛手はありませんので・・・。